(1) 新刊 『英文構造図』(第3版) 大好評発売中!
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(2) 英文構造図の詳細は 公式サイト をご覧ください。
(3) ブログ記事の体系的閲覧には 目次一覧 をご利用ください。

2014年12月31日

英語喉と英文構造図のコラボ

「英語喉」で有名な上川さんが、こんな動画を作ってくれました。英文を音読するうえで、皆さんの参考になれば幸いです。

これからも、お互いに役立つものがあればどんどんコラボしていきたいと思います。




「英語を上手に朗読するにはどうしたらいいでしょうか?喉の奥深くから豊かな音を出すと-外人の声のようになります。プラス、英文の意味の構造を知っていると、どの部分を塊と-して読むと自然かが分かるようになります。この後者の知識を得るには、大橋穣二先生の-英文構造図がお勧めです。

英語喉サイトでは、英語朗読クラブと称して、英文を読む練習をしていますが、この度、-大橋先生のご協力で、練習用に使う素材を構造図にしていただきました。

皆さんもぜひご参加ください。」
(動画に付された上川さんによる解説)


以下、関連 URL。
大橋のサイト「英文構造図の館」
 http://kouzouzu.web.fc2.com/
大橋の Twitter
 https://twitter.com/George_Ohashi
今回の構造図
 http://kouzouzu.web.fc2.com/examples/dolittle.pdf
英語朗読部(上川さん)
 http://www.nippondream.com/eigonodo/community/reading/
素材の出典:国際英語発音協会
 http://hatsuken.org/free/page-test

posted by 物好鬼 at 01:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 英文構造図を使った学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月08日

「副詞」という呼び名

英語の品詞にはいろいろあるが、核となるものはといえば、

 ・名詞
 ・動詞
 ・叙述形容詞

の3つだろう。そしてこのうちの名詞を修飾するものは「限定形容詞」、その他もろもろを修飾するものは「副詞」と呼ばれる。(蛇足だが、上の3品詞については、オブジェクト指向プログラミングにおけるオブジェクト、メソッド、プロパティによく似ていると思う。)

品詞は他にもある。しかし、前置詞は名詞を形容詞や副詞にするときに、準動詞は動詞を名詞・形容詞・副詞にするときに、従位接続詞は文を名詞や副詞にするときに、関係詞は文を形容詞や名詞にするときに、それぞれ使われる、と見ることができる。その範疇に入らないのは、等位接続詞と間投詞くらいか。

ここで「限定形容詞」と「副詞」に戻る。限定形容詞は名詞を修飾するものだからまだよい。しかし副詞はそうではない。「副詞」という名前だけでは、何を修飾しているのかが見えてこないからだ。

先に「その他もろもろを修飾する」と書いたが、修飾の対象を具体的に書くと、動詞、形容詞(限定・叙述とも)、さまざまな副詞、さらには文までが含まれる。だから、「副詞」という呼び名だけでわかったつもりにならず、修飾の対象を具体的に確認する必要がある。それができないと、文の構造を理解できたとは言えないのだ。


さて、ここからは動詞を修飾する副詞をとりあげる。

たとえば“It rains very heavily.”という文を考える。これは現在形の文であるが、ここの“very heavily”はもちろん“rain(s)”を修飾している。

では、現在進行形の“It is raining very heavily now.”はどうか。ここでも“very heavily”は“rain(ing)”を修飾しているのであろうが、最後の“now”は“is raining very heavily”というカタマリを修飾していると考えられよう。

次に“It has been raining very heavily a whole week.”(現在完了進行形)はどうかというと、“very heavily”が“rain(ing)”を修飾しているのは上と同じとして、“a whole week”は“has been raining very heavily”というカタマリを修飾していると考えられる。

同様に“It will have been raining very heavily a whole week tomorrow.”(未来完了進行形)の場合には、最後の“tomorrow”は“will have been raining very heavily”というカタマリを修飾していると考えられる。

通常の文法書では“now”も“very heavily”も“a whole week”も“tomorrow”も「動詞を修飾している」と説明されるところだが、実際の構造はそれほど簡単ではない。参考までに最後の例(未来完了進行形)を構造図にすると、次のようになる。

未来完了進行形における動詞修飾

こういう問題を簡単に視覚化できるのも、英文構造図の便利なところだ。


オマケ
社会学者の間では「社会学とは何か」という疑問が古くからあるらしく、「社会科学のうち法律学・政治学・経済学で扱われないもの」という消極的な定義を学生時代に聞いたことがある。
また、「行政作用とは何か」についても「国家作用から立法作用と司法作用を除いたもの」という考え方がある。これは「控除説」と呼ばれ、憲法学などの教科書に載っている。

posted by 物好鬼 at 05:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 英文構造図を使った学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月04日

英文構造図のための専用掲示板

英文構造図に関するやりとりがしやすくなるよう、専用の掲示板を用意いたしました。

 → 英文構造図に関する掲示板

ご利用いただければ幸いです。
(デザイン等はこれからブラッシュアップしていく予定です。)

posted by 物好鬼 at 07:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 英文構造図を使った学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月30日

【英文構造図の特長】

@原文の語順が維持されている。
A多段入れ子構造を見やすい配置で示している。
 ・同じ階層では、要素をタテに並べる。
 ・入れ子構造は、右への移動で示す。
B色分け等により識別しやすい。

 ※これらの特長のおかげで、
  文法・構文プロパーの学習だけでなく、
  4技能すべての学習で活用できる。

※詳細は公式ホームページで!

英文構造図の特長

posted by 物好鬼 at 07:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 英文構造図を使った学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月10日

手書き版『英文構造図』を復活させました!

2年前に販売しておりました手書き版『英文構造図』を復活させました。

教師の板書はもちろん、生徒自身に図式化させることで英文構造への理解が高まることを期待しています。

販売ページ   (案内ページ未作)


以下もご参照ください。

 (1) 手書き版英文構造図に関する当時のブログ記事

 (2) 手書きによる構造図を長めの文に適用した例

posted by 物好鬼 at 06:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 英文構造図を使った学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月14日

文法が疎まれる本当の理由?(見える化のススメ)

文法は必要なものでありながら、何かと言えば疎まれる。確かに面倒臭いと思うことも少なくない。

その理由の最たるものはその内容の複雑さなのだろうが、他にもあるのではないだろうか。それは

  「言葉のルールを言葉で説明しているから」

というものである。

多くの場合、英語について説明するのに日本語を使っているが、それでは語彙・語順の双方において日本語の呪縛から逃れられない。

しかし、英語で説明されたとしても、肝心の英語に慣れてない人にはなかなかスムーズに理解されない。

このジレンマを克服するには、言葉以外の説明の力を借りることが有効だと考えられる。では、その「言葉以外の説明」とは何か? その代表的な候補が視覚的な説明、つまり「図」である。

例えば、“I wonder why the food the person next to you is eating always looks so good.”という英文を扱うとしよう。語句の意味はともかくとして、文の構造を言葉だけで説明しようとすると、かなり手間取るはずだ。しかし、

iwanderwhythefood.jpg

のような図があったらどうか。学ぶべき内容が分かりやすいかたちで視覚化されていれば、言葉による説明は最小限で済む。さすがにゼロにはできないとしても、かなり軽減できるのは間違いない。言語学習における「見える化」の効用である。

英文構造図はあくまでも文の構造に特化したものではあるが、「見える化」という意味では充分お役に立てるものと自負している。上の図の読み方はこちらに書かれているので、ご覧いただければ幸いである。
posted by 物好鬼 at 07:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 英文構造図を使った学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月09日

英文構造図(手書き)と簡易構造図(PC)の比較

拙著『英文構造図』(上記リンク参照)には代表的な構文を図式化したものを掲載しているが、このたびその全てを簡易構造図で作成しなおしてみた。その結果、【英文構造図(手書き)】と【簡易構造図】の長短が明確となった。以下、3つの例文で説明する。


@“Steve gave his daughter a beautiful doll.”

 【英文構造図(手書き)】
  ekz_svoo.jpg
  →タテとヨコを活用していて分かりやすい。

 【簡易構造図】
  kkz_svoo.jpg
  →各要素がタテに並んでいるだけなので、単調な印象を受ける。


A“I wonder why the food the person next to you is eating always looks so good.”(『英会話データベース 必須1200』p.52、p.57)

 【英文構造図(手書き)】
  ekz_hissu1200.jpg
  →やや込み入った印象を受ける。「移動」を矢印で示しているのはよい。

 【簡易構造図】
  kkz_hissu1200.jpg
  →タテとヨコを使い分けているので、非常に分かりやすくなっている。


B“Human beings show their speriority to the brutes by their capacity for boredom, though I have sometimes thought, in examining the apes at the Zoo, that they, perhaps, have the rudiments of this tiresome emotion.”(『英文解釈考』p.5)

 【英文構造図(手書き)】
  ekz_kaishakukou.jpg
  →横幅が大きくなりすぎるため、折りたたむ必要が生じる。

 【簡易構造図】
  kkz_kaishakukou.jpg
  →階層構造の分かりやすさが際だっている。


以上の例からも分かるように、単純な文では【英文構造図(手書き)】がヨリ見やすく、複雑な文では【簡易構造図】がヨリ見やすい、と言える。特にBぐらい複雑なものになると、【簡易構造図】の見やすさは圧倒的である。

この優劣は、<作りやすさ>という点でも同様である。
つまり、あまり複雑でない例文については【英文構造図(手書き)】が使いやすいが、複雑になればなるほど【簡易構造図】の便利さが顕著となる。これはもちろん、前者が手書きなのに対し、後者がPCを利用するものだからである。

なお、もう一つ、印刷された例文に直接マーキングするという方法もある。それを含めて3つの方法があることになるので、状況に応じて適宜使い分けるのがよいであろう。
posted by 物好鬼 at 10:07| Comment(2) | TrackBack(0) | 英文構造図を使った学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月27日

例文のリテンションにも構造図が役立つ

現在は英作文の基本からやり直しているところなので、まだ複雑な文に出会うことはほとんどない。しかし、比較的簡単な文であっても、スラスラと暗唱するのは意外に難しいことがある。

私の場合、“The big black dog is barking furiously in the garden.”というのがそうであった。“furiously”にあまり馴染んでいなかったせいか、どうしても途中で口ごもってしまうのだ。

そこで構造図を描いてみた。とは言っても、個々の語句まで記入するわけではなく、輪郭だけの簡単なイメージである。で、どうなったかというと、全然口ごもらなくなったのである。

あまりにも呆気なかった。そこでその理由を考えてみた。

構造図がない場合、文というものは線形なものである。文頭から文尾に至る一本の線の上に単語が並んでいるわけである。そのため、時間順に一つずつ処理していくかたちになる。

しかし、構造図がある場合、先に全体像をイメージすることになる。そのおかげで個々の部分に集中しやすくなるのである。結果、口ごもらずに済む、というわけである。

これは簡単に実験できるので、皆さんにも是非お試しいただきたいと思う。
posted by 物好鬼 at 08:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 英文構造図を使った学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月09日

5文型を分かりやすく視覚化する

このブログでは私が考案した英文構造図を主なテーマとしているわけであるが、その強みは何であろうか。

例えば、英語には5文型と言われるものがある。すべての文型を完全に網羅しているとは言えないものの、これらを押さえておけばほとんどの場合OKだ、とも言えるものである。

実例を挙げよう。
・SV:Dogs bark.
・SVC:Frank is a carpenter.
・SVO:Steve speaks five languages.
・SVOO:Steve gave his daughter a beautiful doll.
・SVOC:Steve forced the kid to talk.

各要素は、主語動詞(直接)目的語間接目的語補語 と呼ばれる。

これを次のように図式化したらどうであろうか。

◆SV:Dogs bark.
 SV1.jpg

◆SVC:Frank is a carpenter.
 SVC1.jpg
 (右側は疑問文の場合)

◆SVO:Steve speaks five languages.
 SVO1.jpg

◆SVOO:Steve gave his daughter a beautiful doll.
 SVOO1.jpg

◆SVOC:Steve forced the kid to talk.
 SVOCreal.jpg

ここで用いられている規則は次のようなものである。
・主語は四角で囲む
・動詞は主語の右下に書き、下に二本線を引く
・目的語は動詞の右下に書き、両者の間をL字形の線で結ぶ
・目的語が2つあるときはタテに並べる
・主格補語は主語の真下に書き、両者の間を垂直な線で結ぶ
・目的格補語は目的語の真下に書き、両者の間を垂直な線で結ぶ
・疑問文にするとき、助動詞を主語の左に置いて、動詞とL字形の線で結ぶ

このようにすることで、色分けだけの場合よりもはるかに視覚的に分かりやすくなる。このような図があれば、瞬時に構造が理解できるだけでなく、記憶にも残りやすいはずである。
posted by 物好鬼 at 22:43| Comment(4) | TrackBack(0) | 英文構造図を使った学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月15日

文法書は最初の部分が命

文法書の中にはいきなり「名詞」など個別の品詞から始まるものもあるが、たいていは最初の方に文の構造や品詞についての解説が付いているはずである。文法をマスターしようとするならば、何よりもその部分を重点的に攻略する必要がある。それをやらずに個別の品詞や構文に取り組んでも、不十分な理解で終わってしまう可能性が高い。

具体例を挙げよう。

例えば『基礎と完成 新英文法』(安藤貞雄、数研出版)の場合、
第1章 文の構造
 A 文の要素
 B 5文型
第2章 品詞と句・節
 A 品詞
 B 句
 C 節
第3章 文の種類
 A 伝達内容による文の種類
 B 平叙文
 C 疑問文
 D 命令文
 E 感嘆文
となっている(51ページ)。

次に『徹底例解ロイヤル英文法』(綿貫ら、旺文社)の場合、
第1章 文
 第1節 文の構成
  §1 文
  §2 主部と述部の構成
  §3 主語
  §4 述語動詞
  §5 目的語
  §6 補語
  §7 文の要素と修飾語
 第2節 文型
  (§割愛)
 第3節 品詞
  (§割愛)
 第4節 句と節
  (§割愛)
 第5節 文の種類
  (§割愛)
である(64ページ)。

『表現のための実践ロイヤル英文法』(綿貫ら、旺文社)の場合、
第1章 文
 第1節 文の構成
  1 主部の構成
  2 述部の構成
 第2節 文型
  3 基本5文型
 第3節 品詞・句と節
  4 8品詞
  5 句
  6 節
 第4節 文の種類
  7 構造上の文の分類と、肯定文・否定文
  8 機能上の文の分類
となっている(30ページ)。

最後に『コンプリート高校総合英語』(山口俊治、桐原書店)の場合、
第1部 文の構成
 第1章 文の要素
  1.文の要素
  2.品詞
  3.句
  4.節
 第2章 基本5文型
  5.第1文型
  6.第2文型
  7.第3文型
  8.第4文型
  9.第5文型
 第3章 主語と目的語
  10.主語の種類
  11.目的語の種類
 第4章 主格補語と目的格補語
  12.主格補語−−第2文型
  13.目的格補語−−第5文型
 第5章 文の種類
  14.平叙文
  15.疑問文
  16.命令文
  17.感嘆文
  18.構造による文の種類
となっている(114ページ)。

見出しを見る限り、どの本でも似たような内容となっているが、説明のしかたはさまざまである。分量については山口氏の本が他を圧倒している。文の基本構造を重視する著者の面目躍如といったところであろうか。

主題に戻る。
文法書においてこれより後の章に出てくるのは、主に各品詞や構文に関する説明である。そのうち品詞というのは、文を構成する部品の種類である。また、構文というのは、文の特殊な組み立て方のことである。であるから、まず何よりも上で紹介したような内容を徹底的にこなしておかないと、木を見て森を見ないことになってしまう可能性が大きい。

肝心の内容であるが、未知の語句などほとんどないはずであるから、構造の理解に集中するべきである。

そこで問題になるのは、正しく理解できているかをどう判断するか、であろう。それには拙著『英文構造図』が非常に役立つはずなので、是非活用されたい。

拙著で紹介している方式の場合、図式化のためのルールは、文の基本構造を踏まえたものになっている。そのため、図式化のルールを学ぶだけでも、文の基本構造の概要が理解できる。文法書の例文を学ぶ場合でも、図式化することさえできれば、その文の構造が理解できたものと考えて差し支えない。

拙著紹介ページにはいくつかのサンプルが掲げてある。私の英文構造図がいかに扱いやすいものであるか、具体例で確認していただければ幸いである。

posted by 物好鬼 at 12:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 英文構造図を使った学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月08日

英文構造図の最大の特徴

 たまたま「英語学習法の常識を変える『コア式語順訳』」というページを見つけた。書かれていることだけでは「コア式」の具体的なノウハウは分からないのだが、ふと気付いたことがある。

 それは、私の「英文構造図」が持っている大きな特徴についてである。

 英文構造図は意味のかたまりごとに視覚的なまとまりを作り、それらを縦にも横にもずらして配置していく。縦にも横にもずらしてあるおかげで、要素間を線で容易に結ぶことができる。

 それだけではない。構造図には、英文の語順が完全に保存されるという特徴がある。そのため、完成した構造図は、単純に左上から右下に向かって読んでいけば、元の英文を再現することができる。迷うことは全くないので、音読するときにもストレスを感じない(構造が分かりやすいだけ読みやすいとも言える)。

 結局のところ、構造図を作成することにより、「英文の語順はそのままに、構造を視覚化し、理解することができる」ということである。

 これは過去に書籍などで公表されている多くの方法とは決定的に異なる点であり、本方式の優位な点である。上記のページに「このやり方で同時通訳のレベルまで英語力を引き上げて行くことができる」と書かれているが、構造図も初心者から上級者まで役立つものだと思う。

 構造図の作り方や実例についてはこのブログにもある程度説明してあるが、詳細をお知りになりたい方は拙著をご覧いただければ幸いである。画面右上のリンクから紹介ページに行くことができる。
posted by 物好鬼 at 23:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 英文構造図を使った学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月24日

ちょっと長い文で試してみる

 今回は佐々木『英文解釈考』の最初の英文(p.5)を図式化してみた。

kaishakukou5.jpg
(原寸表示はここ。)

 今回はスペースの関係でやや特殊なレイアウトとなっている部分があるが、それでも充分にわかりやすいと思う。

posted by 物好鬼 at 12:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 英文構造図を使った学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月22日

図式化実験ほぼ完了

 またまたご無沙汰してしまったが、決して何もしていなかったわけではない。何をしていたかというと、いろいろな素材について実際に図式化を試みていた。「ほんとに使えるのか?」という疑問を解消するためだ。

 まず最初に取り組んだのが、早坂ら『リストラ・学習英文法』だ。このテキスト自体、彼ら流の図式化方法を紹介したものなので、テキストの余白に私流の図式を書き込んでみた。彼らの方法と私の方法とを比較対照するためだ。このテキストは、具体的な問題意識を強烈に持たせてくれるという意味で非常にすぐれた教材であり、特に付帯状況を表す句の構造や修飾・否定の厳密な分析などなど、非常に勉強になった。

 次に、『表現のための実践ロイヤル英文法』の付録である「別冊 英作文のための暗記用例文300」に取り組んでみた。何よりも例文数が少ないのが魅力だ。結局、B5判のノート(7mm罫)で73ページになった。あまり複雑なものではないので比較的簡単に片付いたが、英語的な発想の例文にハッとさせられることもあった。

 更に、上記『リストラ』で得た問題意識をふまえて、安藤『現代英文法講義』第2章「文型」の例文を図式化してみた。こちらは同じ種類のノートで18ページ。ここでは特にSVOCの難しさと面白さを痛感した。


 さて、以上の作業の結果、現時点では次のことが言える。

 ・たいていの文は私の方法で簡単に図式化できる。
 ・例文の再措定的学習が自然にできる。
 ・図式化の出来具合が構造理解の程度を端的に示してくれる。
 ・図式化の過程が更なる問題意識につながることも多い。
 ・文中の語句を同時に学ぶことができる。(右端に和訳を書く。)
 ・見直すときにもわかりやすい。
 ・語順が維持されているので音読もしやすい。
 ・図式化できただけでは必ずしも記憶できない(反復が不可欠)。


 今後は、この図式化方法の更に効果的な使い方を考えていきたい。具体的には、何か本当にマスターしたい教材(長文でも例文集でもよい)を素材にして、必要に応じて他の方法と組み合わせることで効果を高めるようにしたいと思う。どの教材で実験するかは、ただいま検討中。


 最後になったが、ここで参考までにいくつかの実例を掲載する。これは私が実際に作成したノートの一部(元ネタは安藤『講義』p.22)であり、他人に見せることを予定していたものではない。そのためあまり見た目がよくないかもしれないが、逆に言えば「この程度で足りる」ということでもある。


svoo.jpg
(原寸表示はここ。)


 少しでも参考になればと思う。

posted by 物好鬼 at 22:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 英文構造図を使った学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月06日

英文構造図の使い方

◇構造図の使用法

 全体としては、次のような要領で行うとよいであろう。
 ・体系に従って、易から難へ(構造、長さ、語句レベル)と段階的に進める。
 ・たくさん書く。
  ※書くときには無理して覚えようとする必要はない。作業自体にも大きな意味があるので、正確な理解をヨリ重視する。
 ・理解と記憶においては、まず正確さを心掛け、次にスピードアップしていく。
  ※これは学習全体だけでなく、個々の素材についても言えることである。
 ・内容を深めるために必要な事項があれば、どんどん追記して、構造図そのものを充実させていく。

 構造図を作成する前に、次の手順を経ることが望ましい。
 @文法などの解説がある場合、それを熟読し、テーマを確認する。
  ※具体的な問題意識を明確に持つことが大事。
 A和文を見て口頭で英訳してみる(間違えた部分などは徹底的にフォロー)。
 B英文の音声があれば、聴きとれるかどうか試してみる。

 作成した構造図は以下の要領で利用する。
 @英文の音声がある場合は十分に活用する。
   ・プロソディを確認する。
   ・マスターするまで繰り返し聴く。
    ※図式を見ながら、図式を思い浮かべながら、シャドーイングしながら。
 A英語(語句および文)を音読する。
  ※最初はプロソディに専念、慣れたら構造と意味をイメージしながら行う。
  ※ナチュラルスピードに達するまで徐々にスピードアップする。
  ※記憶が鮮明なうちにリテンションする。
 B翌日以降も適宜反復し、十分慣れてきたら
   ・十指法に挑戦する。
   ・各種の文法ドリルを試みる。
    ※必要な素材をあらかじめ構造図内に含めておけば、一つの構造図から複数の文を再生することができる。この場合、文を再生することがドリルとしての性格を併せ持つことになる。なお、文法ドリルの中には処理順序が定められているものも少なくないが、それはあくまでもモレやダブリを防ぐためであり、違う順序で処理すること自体には何の問題もない。もちろん、構造図から直接には再生できないような文をアドリブ的に自作していく訓練も有効である。
 ※ここまでできたら「習得した」と評価してよい。

 右端の和訳欄は次のように使用する。
 ・和訳を見て元の語句や使い方を再現する(スラスラできるまでやる)。

 ノルマについては、次のようにするとよいであろう。
 ・最初は1日に5〜10本をじっくり丁寧に学ぶ。ドリルも十分に行うべき。
 ・慣れたら1日100本程度に増やす。
 ・最終的には1日500本ぐらいを目標とする(これはソラで処理できることが前提となろう)。


◇どんな素材がよいか

 例文さえ載っていれば、どんな教材にでも簡単に適用できる。ただし、英文の音声があった方が、多角的な活用が可能である。

 英文の構造が十分に習得できていない段階であれば、文法的な順序で例文が掲載されているものを使うのがよいであろう。例えば、易しめの文法書(例文集が付属しているものもある)や市橋モノなどである。通常の入門書、あるいは中学校の教科書などを最初から順にやるのもよい。この段階では、例文の数は少な目(多くて数百本)にし、その代わり、ドリルも活用しながら徹底的に身に付けるべきである。知識レベルにとどめることなく、能力化しなくてはならない。

 文の構造について体系的・網羅的に学べる教材としては『英語文型完全トレーニング』(阿部友直、テイエス企画)などがある。ヨリ学術的に学びたい向きには『実用生成英文法』(平野清、開文社出版)などがよいであろう。

 文構造の基本が十分に吸収できた後は、文法的な順序に従って学ぶ必要はないし、むしろ、従わない方が柔軟な能力につながるはずである。この段階では多様な語句や表現が載った教材を中心に学び、それに慣れてきたら、並行してまとまった量の文章を記憶する習慣を身に付けるようにしたい。


◇手書きかパソコンか

 見た目の綺麗さや柔軟な編集可能性を重視するのであればワープロソフトを使用するのがよいであろうが、それ以外の場合は、ノートに手書きするのが現実的である。手書きであれば1文あたり1〜2分もあれば作成可能であるが、パソコンで綺麗に作ろうとするとかなり手間取る。
 ノートの種類であるが、文の長さにもよるものの、B5のノートが一番使いやすいように思う。

 筆記用具としては、書き直し可能なシャーペンがよい。仕上がりの面からはコントラストが高いボールペンに軍配が上がるが、気楽に作業できることの方がはるかに重要であろう。

posted by 物好鬼 at 13:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 英文構造図を使った学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

新しい英文構造図

◇新しい記法の必要性

 本サイトでは既存の方法を数多く紹介している。いずれも優れたノウハウを含んだものであるが、それぞれの箇所で繰り返し述べてきたように、文構造の視覚化によって強化できるものが大半である。

 では、文構造の視覚化はどのようにすればよいのだろうか。ネット上で公開されている資料や市販の書籍などをあたってみると、いくつかの方法が見つかる。

 例えば生成文法で使われている樹形図やSentence Diagramと呼ばれるものが有名だが、本サイト別項で紹介した「チャンク・チャート」や「センテンス・フロー」もそうである。また、上記ページでは紹介していないが、『リストラ・学習英文法』(早坂高則・戸田征男、松柏社)で提唱されている構造図はきわめて緻密なものであり、文の構造について詳細に検討したい場合に非常に有効である。他にも文法書や英文解釈の教材で数種類の記法を見た記憶がある。まだ見たことのないものも少なからずあるであろう。

 では、英文の構造図としてはどのようなものが理想的なのであろうか?

 もし仮に理論的な検討が主目的であれば、何よりも緻密さが最優先されるべきであろう。そのために分かりやすさがある程度犠牲になることはやむを得ない。樹形図、Sentence Diagramや上記『リストラ』の記法などがそれに当てはまる。

 しかし、英文を学習するという観点からは、分かりやすさがヨリ重視されなくてはならない。具体的には、次のような点が挙げられる。

  ・原文の語順が保存されていること(復元が容易であること)
  ・文全体における各チャンク相互の関係が分かりやすいこと
  ・チャンクの種類が識別しやすいこと
  ・各チャンク内の構造が分かりやすいこと
  ・入れ子構造が無理なく視覚化されていること

 これらの要求を満たしつつ、なおかつ正確さもほとんど犠牲にしない…というのが学習用途の英文構造図に求められるわけである。そんなことが可能か? 答えはYESであり、それが今回のテーマである。


◇構造図の描き方

・主部を長方形で囲む。
・動詞は主部の右下に置き、二重の下線を引く。
・修飾要素がある場合、その要素から修飾対象に向けて矢印を引く。
・SVCの場合、補語は主部の真下(少し空けたところ)に置き、両者の間を縦の直線で結んでネクサスを表す。be動詞等はその縦線のすぐ右側に置く(主部の右下ではない)。
・SVOの場合、直接目的語は動詞の右下に置き、両者の間をL字型の線で結ぶ。
・一般疑問文の場合は、助動詞を主部の左に出し、動詞との間をL字型の線で結ぶ。be動詞の場合は、元の位置に○印を置き、そこからbe動詞に向けて矢印を引く。
・特殊疑問文の場合は、上に加えるに、疑問詞を助動詞の更に左横に置き、元の位置(平叙文において元ネタが置かれるはずの位置)に置いた○印から疑問詞に向けて矢印を引く。
・従属節は長方形で囲む。
・SVOOの場合、間接目的語を動詞の右下に、直接目的語をそのすぐ下にそれぞれ置き、動詞と各目的語との間をL字型の線で結ぶ(全体としては「ヒ」のような形になる)。
・SVOCの場合、目的語を動詞の右下に置くのは同じであるが、目的格補語は目的語の少し下に置き、SVCの場合と同様に縦線で結んでネクサスを表す。更に、その縦線の中央部分に向かって動詞からL字型に線を引く。
・仮主語や仮目的語のitがある場合、真主語・真目的語を文末に置き(長方形で囲んでおく)、両端に矢印の付いた曲線でitとの間を結ぶ。
・日本語からの想起を試みたい部分については、ページ右端に和訳を記しておく。

 以上が基本である。参考までにEXCELで作成した簡単なサンプル(PDF化してある)をアップしておく(上記ルールを網羅してはいない)。他に比較構文などの記法もあるが、今回は割愛する。別項にて紹介する予定である。


◇構造図の効果

 この図式化は、文の構造と要素とを、それらの間の密接な関係を断ち切ることなく、視覚的に分離するものである。そのため、

 @理解する(像を明確にする)時に役立つ
  ・図式化の過程で文の構造が明確に分かる(分からないと図式化できない)。
 A記憶する(像を定着させる)時に役立つ
  ・文全体の意味と構造とが一体化したかたちで、スムーズに頭に入る。
  ・個々の語句の形式・意味・用法も、文中での位置づけと一体化したかたちで記憶される。
 B応用する(像を変化させる)時に役立つ
  ・語句の入れ替えも簡単に試みることができる。
   ※類似表現や言い換えなどもまとめて学習できる。
  ・サイトラでも暗唱でも、自然と英語の語順で考えられるようになる。

という効果がある。また、他の方法と同様、

 Cその他
  ・何百例かやれば、ソラでもできるようになる。

ということも言える。

posted by 物好鬼 at 12:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 英文構造図を使った学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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