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2015年05月11日

三単現のsを身に付けよう

英語学習者で「三単現のs」を知らない人はまずいないと思う。理屈も比較的簡単だ。ただ、大人になってもなかなか身に付いていないというケースも見かける。

そこで今回は、三単現のsを攻略するための簡単なドリルを紹介したい。これだけやれば完璧!などと言うつもりはないが、十分な基礎にはなると思う。

三単現のsの基本的なルールは、「主語が三人称単数で、動詞が現在時制のとき、動詞の後ろに (e)s を付ける」である。もちろん、付けるのが s なのか es なのか、そしてその場合の発音はどうなるか、ということについては何種類かに分けられるが、実際に発音してみることによって理由もわかるようになる。そのためには、具体例を通して学ぶことが大切だ。(has や says などの例外は後で個別に学べばよい。)

以下、その方法。
(あらかじめネタばらしをしておくと、これは長崎玄弥氏「96型ドリル」のサブセットである。)

◆第1段階

まず最初は三単現のsでないものから始める。そのために簡単な文を用意する。たとえば

 ・You speak English.

であるとしよう。

この文を使うと決めたら、これを何度か読んでみる。お手本になる音声があればよく聞いて真似るようにする。慣れてきたら、書かれたものを見ないでソラで何度も言ってみる。

次に、以下のように変化させてみる。

 ・You speak English.
 ・Do you speak English?
 ・You don't speak English.
 ・Don't you speak English?

当然のことながら、疑問文では最後を上げるようにする。もちろん手本となる音声があればベター。

最初は書かれたものを音読するところから始め、慣れてきたら何も見ずに言う。そして、4つの文を連続して正確かつスムーズに言えるようになるまで反復する。難しいと感じたときは、迷わず音読に戻る。

speak を攻略したら、他の動詞でもやってみる。

◆第2段階

次は主語を「he」にする。これは三人称単数(の代名詞)であるから、動詞が現在であれば s が付く。speak の場合は原則どおり s のみでよい。発音も [s] を付けるだけ。

上と同様に4文を並べると

 ・He speaks English.
 ・Does he speak English?
 ・He doesn't speak English.
 ・Doesn't he speak English?

となる。ポイントとしては、肯定平叙文(つまり4文のうち最初のもの)のみ動詞末尾に s を付ける(それ以外は助動詞 do の方に es が付いている)。

これも「you」のときと同じ要領で練習する。

以上で訓練は終了!と言いたいところだが、そうではない。

というのは、ここまでは肝心の「この文では三単現のsが使われる」という部分が固定されていたからだ。しかし実際には「使うべきときには使うが、そうでないときには使わない」というように、場合分けに対応できるようにならなくてはならない。

◆第2.5段階

今度は「三単現のsを使うべきとき」と「そうでないとき」とを順不同に試すようにする。そのためにはまず

 @ you、they、your parents、my friends など
 A he、she、my father、Jack、Suzan など

のようにリストを作る。

準備運動として、@Aそれぞれについての練習を第1・2段階の要領で行う。自信を持ってできるようになってきたら次に進む。

◆第3段階

いよいよ主語を順不同にする。つまり、順不同に並べられた主語リストを見ながら

 ・○○ speak(s) English.
 ・Do(es) ○○ speak English?
 ・○○ do(es)n't speak English.
 ・Do(es)n't ○○ speak English?

を言うようにする。反復の仕方はこれまでと同様でよい。

◆第4段階

ここまでができるようになったら、run や teach などのように (e)s 部分の発音が違う単語でも同じようにやってみる。speak について十分な練習ができていれば、ここでは違う部分のみに集中することができるので、それほどの時間はかからないはず。

なお、現在時制だけでは負担が小さすぎるという場合は、過去時制の4文も続けて言ってみるとよい。(もちろん過去時制には s は登場しない。)

◆最後に

ここまでできれば「三単現のs」の基礎は身に付いたと言ってよい。もちろん、その後もときおり復習するようにする。特に、長めの文、あるいは長い主部を含んだ文について、上記の要領で練習するとよい。

これは機械的なドリルではあるが、野球の素振りや守備練習のように何年も継続する必要はない。基礎的な力を身に付けるだけであれば、週末などに集中してやるだけで十分だろう。三単現のsに限らず、このような方法で早期にシッカリした基礎を作っておけば、それは一生役立つことになる。

なお、楽しく効率的に練習するには、仲間と競争するのもよい。いずれにしても堅苦しい修業ではないので、ゲーム感覚でやるのが精神衛生上もよいと思う。

posted by 物好鬼 at 22:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 応用力を付ける | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月11日

文法ドリルの方向性

せっかく例文を覚えても、それだけではなかなか使いこなせない。そこで考えられる方策の一つが文法ドリルである。文法ドリルについてはチョムスキーを引き合いに出して否定的な見解を述べる人もいるが、大半の日本人には極めて有効であろうと私は考えている。参考までに私と同様の見解を一つ引用しておこう(竹内理『より良い外国語学習法を求めて』p.126)。

 前章で述べた大学生上級学習者たちだけではなく、本章の英語の達人たちも、基本表現・構文の徹底的な暗記と活用練習が、スピーキングやライティングなどのリソースになると考えているようである。しかし、このような方略は、学習者の周囲でふんだんに英語が話されているESL環境下ではあまり重要視されていないようであり、欧米の文献では言及が少ない。その意味で、例文の暗記とパタン・プラクティスの繰り返しは、EFLのような外国語学習環境下で特徴的に利用される方略の一つといえるかもしれない。

はたしてどちらが正しいのかは、自分で試した人だけが知っていることである。

ところで、(これは文法に限らないのだが)ドリルを行うときの方向性(と呼ぶべきかよく分からないが)には大きく2つの種類がある。

第1は課題を固定する方法である。例えば「受動態にする」という課題を設定して、素材となる文を“They speak English and French in Canada.” “He took a lot of pictures of his girlfriend.”……と変えながら実践していく。専用の素材集としては下記リンクの『ポンポン』などがある。

この方法の長所は、特定の課題に集中できるという点である。個々の課題に慣れるまでの間は特にそうである。逆に短所は、あらかじめ準備された素材を参照しながらでないと行いづらいという点である(素材となる文をアドリブでどんどん思いつく人なら問題ないが…)。

第2は素材を固定する方法である。例えば“He speaks English very fluently.”という素材を設定して、「時制を変える」「主語を変える」「目的語を変える」「受動態にする」……と課題を変えながら次々に実践していく。96型や転換練習などがこちらに含まれる。

この方法の長所・短所は、第1の方法とちょうど逆になる。

ではどちらがよいかというと、これは環境によって使い分けるのがよい。つまり、素材リストを参照できる環境(自宅など)にいるときには第1の方法をメインとし、それ以外のときには第2の方法をメインとする、ということである。いわばハイブリッド方式である。当然のことながら、第2の方法における課題の数は徐々に増やしていくようにする。

このようなかたちでドリルを続けていくと、素材となる例文も頭に蓄積されてくるはずであるから、その結果として、細切れ時間の有効活用もしやすくなる。もちろんその後には、単なる文法ドリルを離れる時期がやって来るであろうし、そうでなくてはならない。

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2010年06月17日

瞬間英作文に欠けているもの(独り言と文法ドリル)

 英語で話そうとすると、どうしても先に日本語で考えてしまう……という人は少なくないはずだ。それで英語の例文を覚えようと考えるのだが、気を付けるべきことがある。

 いわゆる瞬間英作文は非常に優れた学習法であり、時間を割く価値のあるものである。しかし、あれは例文をその日本語訳から想起するという方法をとっている点に注意が必要だ。つまり、それだけをいくら繰り返しても、「最初に日本語で考えてしまう」という病気は克服できないのである。むしろ、やればやるほどクセになる可能性すらある。

 冒頭に述べたような問題がある人の場合、「基本的な内容について、できるだけ日本語を介入させずに処理していく」ことに慣れる必要がある。

 これには別途対策が必要であるが、「対策」としては例えば、
 ・英語で独り言を言う
 ・文法ドリルを行う
といったものが挙げられる。いずれも『英語上達完全マップ』には含まれていないメソッドである(ただし後者については別に『ポンポン話すための瞬間英作文 パターン・プラクティス』という本が出ている)。

 まず独り言についてであるが、これは日本にいるときでも可能である。むしろ、必要に迫られていないときに平常心で取り組むべきである。

 具体的には、例えばお店の前を通りながら
“Wow! They are selling really nice things. The one in the center of the shop looks best to me. Should I buy it? Hmm... I wonder how much it is. 25,000 yen!? Do I have enough money with me now? No, I don't think so. I wish I hadn't wasted 50,000 yen at the Pachinko parlor last night.”
のように言ってみる。

 内容は何でもよい。大切なのは、内容そのものよりも、発言までのプロセスが自発的である(日本語で書かれたものをトリガーにしない)ことである。

 文法ドリルについては、いくつかの方法を別項にて紹介しているので、参考にしていただきたい。

posted by 物好鬼 at 05:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 応用力を付ける | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月05日

動詞の補部構造<安藤『現代英文法講義』

 動詞の補部に関心をお持ちの方のために、安藤『現代英文法講義』の「37.4. 動詞の補部構造」をテーブル化したものを掲げておきたい。分厚い同書を読むときにも参考になると思う。

1. 補部を
  とらない動詞
[A] 自動詞
[B] 疑似自動詞
2. 補部を
  一つとる動詞
@連結動詞  
ASVA型をとる動詞  
B他動詞       [A] 受動態をとる動詞
[B] 受動態をとらない動詞
[C] 句動詞
[D] 「他動詞+wh節」
[E] way構文
[F] 'time'-away構文
3. 補部を
  二つとる動詞
1. 二重目的語構文と与格構文 [A] give型
[B] buy型
[C] その他の動詞
2. I advised Mary to wait. のタイプ  
3. SVOA型  
4. SVCA型  
5. SVOC型 [A] force型
[B] order型
4. 補部を
  三つとる動詞
 
5. ネクサスを
  補部にとる動詞
1. 補文標識に
  導かれる
  ネクサス
.1. that節を
  補部にとる動詞
[A] 叙実動詞
[B] 非叙実動詞
[C] 説得動詞
[D] 感情述語
[E] 仮想動詞
[F] 非人称動詞
2. wh節を
  補部にとる動詞
[A] 疑問文・否定文の動詞、
  またはask, doubtなどの疑問動詞
[B] 「wh句+to不定詞」を補部にとる動詞
3. to不定詞を
  補部にとる動詞
 
2. 補文標識に
  導かれない
  ネクサス
1. want型       [A] XP=to不定詞の例
[B] XP=(to be)形容詞/過去分詞の例
[C] XP=-ingの例
2. believe型  
3. 知覚動詞 [A] XP=裸不定詞の例
[B] XP=現在分詞の例
[C] XP=過去分詞の例
4. 作為動詞       [A] XP=裸不定詞の例
[B] XP=(be)形容詞の例
[C] XP=to不定詞の例
[D] XP=前置詞句の例
[E] XP=現在分詞の例
[F] XP=過去分詞の例
5. 任命動詞 [A] XP=NPの例
[B] XP=to be/as+NPの例
6. “手段動詞”  
7. 宣言動詞  
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知識と能力の違い

 ここでは、知識と能力の違いについて考えたい。これは語学に限らずさまざまな分野で問題となるもので、古くて新しいテーマである。


 ある程度の数の例文を記憶したら、今度はそれらを具体的な場面において正しく活用できるようになりたいであろう。それも、読み書きだけではなく、話したり聞いたりするときにもスムーズに使えるのがよい。これは単に記憶しただけでは身に付かないものであり、それ相応の工夫と努力が必要とされる。

 さて、最終的にはありとあらゆる文において<活用能力>を発揮できるようになりたいわけであるが、実際には、非常にたくさんの語句や例文を知っているにもかかわらずそれを使いこなすことができない、という人は決して少なくない。多くの知識を得たいのは当然としても、同時に能力という面にも注意する必要があるのである。ではどうするかであるが、次のように考えてみてはどうであろうか。

 例えば、ある特定のパラグラフを正確にスラスラと読む訓練を徹底的に行ったうえでその能力を測ったところ、ネイティブを100として「90」と評価されたとする。さて、別の新たな素材について同じ観点から計測したらどうなるか? おそらく90には届かないであろうし、たいていの場合は大きく離されるはずである。つまり、

  集中的に学んだ素材でのレベル > 新たに学んだ素材でのレベル

である。新たな素材として選んだものがよほど易しいものでないかぎり、左辺の値が右辺の値の上限となるであろう。言い換えると、右辺の値を高めるためには左辺の値を高めることが必要だ、ということである。

 この簡単な思考実験からも分かるように、最初に学ぶ少量の素材に関しては、十分かつ多角的な訓練をした方がよい。それがある程度できるようになってから、その正確さや自在さを他のさまざまな素材に波及させていくわけである。もちろん、能力を波及させられるようになるにはそれなりの<慣れ>が必要ではあるが、一旦慣れてしまいさえすれば、ほとんどありとあらゆる素材で同じことができるようになる。この点をよく認識することが大切である。

 なお、最初に学ぶ少量の素材は、学習領域の全般をバランスよくカバーするように選択するのがよい。これが全ての基礎となるからである。他方、後から追加する素材については、その順序とタイミングが大事である。目安としては、追加時の負担ができるだけ少なくなるように工夫するのがよい。

 およそこのような戦略で学習していけば、短期間で大きな成果に結びつけることができるであろう。
posted by 物好鬼 at 03:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 応用力を付ける | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月06日

作文力養成訓練の順序

 以下のように再編成してみた。

@最小限の補部(SV部分の演算に集中)
  V=be動詞
    ・4文×6時制(進行相なし)
    ・主語を長くする
    ・助動詞
  V=be動詞以外
    ・4文×6時制(進行相なし)
    ・4文×12時制(進行相あり)
    ・主語や動詞を入れ替える
    ・主語を長くする
    ・助動詞

A補部や付加部による負担を増やす
  (訓練の対象は@と同じ)
  4文×12時制×能動態
  4文×12時制×受動態

B外心統語によるチャンク作成とその利用
  準動詞句(名・形・副)
    ・(for S) to V
    ・S's Ving
    ・前置詞+Ving
  関係詞節(形)
    ・S who V…
    ・S whose ○ V…
    ・O that S Vt   など
  名詞節
    ・what Vt
    ・what S Vt
    ・if/that S V…
    ・仮主語、仮目的語
    ・時制の一致
  副詞節
    ・when/until etc. S V
    ・仮定法   など

C落ち穂拾い
  比較
  否定
  話法

 言うまでもないが、@とAが長崎式96型ドリルに相当する。このように位置づけることで、96型の存在意義が再確認できたことになるであろう。そこで当面(長くて1ヶ月程度)は、@Aの訓練を段階的かつ徹底的に行いながら、Bの改訂を進めていこうと思う。
posted by 物好鬼 at 21:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 応用力を付ける | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月03日

自分本位の作文力養成訓練

 英検1級対策の第1弾としてボキャビルとリスニングに力を入れるはずだったが、早々に挫折した。というのは、「こんなやりかたでは本当の実力はつかない」と痛感したからだ。ボキャビル自体に罪はない。リスニングも同様だ。しかし、作文力養成に力を入れるのが先決だと考えたのだ。「本格的なボキャビルはいつになったら開始できるのだろうか」と思わないこともないが、ここは我慢することにしよう。

 では、どんな教材を使うか。買ったまま活用できていない教材が私の手元にはたくさんあるから、それらのどれかを使うというのが最も自然な考え方だろう。しかし、問題なのは「どれを使うか」よりもむしろ「どう使うか」なのではないだろうか。

 しばらく前に「英文構造図」についてあれこれ工夫していたとき、いろいろな文法書を興味深く読むことができた。もちろん理解も深まったし、記憶への定着率も高かった。私という人間は、このように主体的な目的・目標がないと、他人が書いた本にのめり込むことが難しい性分のようだ(要するに自分勝手なのだろう)。だから今回も、テーマはあくまでも自分中心に設定し、各種の教材は参考書やチェックリストとして利用するようにしたい。


 課題としては次のようなものを考えている。


@単文レベル
  S+V
    ・文型そのもの
    ・4文×12時制(長崎式48型)
    ・立場の入れ替え(転換練習)
    ・各パーツの置換
    ・主語の複雑化(等位接続詞による並列、前置詞句による修飾)
    ・動詞に対する副詞による修飾
    ・動詞に対する前置詞句による修飾
    ・S+V+A
    ・前置詞句内の複雑化、前置詞句の累加
    ・複数の修飾の併用
   ※以下、ドリルのテーマは未詳(これから具体化していく)
  S+V(一般動詞)+C
    ・文型そのもの(一般動詞)
    ・文型そのもの(be動詞)
    ・S+be+C+A
  S+V+O
    ・文型そのもの
    ・受動態
    ・S+V+O+A
  S+V+O+O
    ・文型そのもの
    ・S+V+O to/for Oへの書き換え
    ・受動態
  S+V+O+C
    ・SVO型
    ・SVOO型
    ・SVOC型
    ・受動態
    ・その他
  その他

A外心統語を含むもの
  準動詞句(名・形・副)
    ・(for S) to V
    ・S's Ving
    ・前置詞+Ving
  関係詞節(形)
    ・S who V…
    ・S whose ○ V…
    ・O that S Vt   など
  名詞節
    ・what Vt
    ・what S Vt
    ・if/that S V…
    ・仮主語、仮目的語
    ・時制の一致
  副詞節
    ・when/until etc. S V
    ・仮定法   など

B落ち穂拾い
  比較
  否定
  話法

 基本的な作文力(知識ではない)を養成するには、以上のように訓練していくのが最良であろう。例文をたくさん暗記するのも悪くはないが、覚えたものがそのまま使えるような場面ならともかく、臨機応変な変化を要求される場合には歯痒い思いをすることが多い。そこを何とかしよう、というのが今回の趣旨である。

 なお、この言語演算訓練においてはある程度の数の素材(主に単文)が必要となる。それは文法書や辞書からとってきてもよいが、もし音声素材付きのテーマ別モノローグ集が手にはいるのであれば、それを最大限に活用するのがよいであろう(めぼしい文を図式化→正確に理解→単文として切り出す)。音声付きであれば同じ素材を使ってシャドーイングをするなど、多角的な利用をすることができる。その教材をある程度こなしたら、更にテーマ別の単語集や表現集の大量暗記へと進むこともできる。

(目次構成を修正した on 08/08/06)
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2008年05月05日

既存の例文学習法(3)

◇96型ドリル

 これは長崎玄弥氏が若い頃(終戦直後)に徹底的に実践した方法である。『奇跡の英文法』(祥伝社、絶版)、『長崎玄弥の英語の攻め方』(アルク)、『英語スピーキング特訓ラップ』(同)などで紹介されている。

 具体的には、まず基本時制について肯定平叙→肯定疑問→否定平叙→否定疑問と進み、以下、過去・未来・現在完了・過去完了・未来完了・現在進行・過去進行・未来進行・現在完了進行・過去完了進行・未来完了進行の11時制について同様に行う(ここまでで48型)。更に、可能であれば受動態にして同じ48型を行う(これで合計96型)。
※詳細はこちら

 動詞の変化がスムーズにできるようになったら、文の一部を変更して試してみる。特に主語については、“He”や“My father”のような簡単なものだけでなく、“Daniel, Jeff and their parents”や“The guy I met yesterday”のようなものにも取り組む必要がある。主語が長いと疑問文での助動詞(常に文頭)と動詞とが遠く離れてしまうが、それに惑わされずに動詞の形をコントロールできるようになるためである。

 直接的な訓練の範囲は限定されているが、訓練の効果がそれだけに限られるというわけではない。実際、長崎氏は前出『英語スピーキング特訓ラップ』でこう述べている(p.96)。
 これは偶然の発見でしたが、私が96型を全部、完全に身につけたとき、英文法の中でも難しいとされている次の項目をマスターしていました。
・単文→複文→重文の書き換え
・時制の一致
・話法 直接話法→間接話法
・仮定法
(中略)どの時制を表現したい場合でも、瞬間的に正しい形を思い出すことができるのは大変な強みになります。
 上の現象の理由としては、単に処理速度がアップするというだけではなく、ワーキングメモリの容量が拡大するということも挙げられると思う。これは96型ドリルに限ったことではないが、直接的な訓練目的以外の部分にも効果が発生することがあるという点には注意が必要だろう。


◇転換練習

 これは、ある特定の順序で文を「転換」していく訓練である。歴史は古いらしく、原形となるものが1961年発行の『英語の文型と運用』(小川芳男・安田一郎、平明社)にあり、定型化されたものが1970年発行の『NHK続基礎英語 英語の文法と文型』(安田一郎、日本放送出版協会)に紹介されている。最近では、前出『和魂英才 英語超独学法』(吉ゆうそう、南雲堂)が「6段階Pattern Practice」という名称でほぼ同じ方法を紹介している。

 転換の手順を吉『英語超独学法』p.83にある例を使って説明する。元の文が“He said he’d like to introduce me to a nice girl.”であるとして、
@Q.:Did he say he’d like to introduce you to a nice girl?
AA. Yes.:Yes, he did. He said he’d like to introduce me to a nice girl.
BQ. An ugly girl?:Did he say he’d like to introduce you to an ugly girl?
CA. No.:No, he didn’t. He didn’t say he’d like to introduce me to an ugly girl.
DQ. Who?:Who did he say he’d like to introduce you to?
EA. A nice girl:He said he’d like to introduce me to a nice girl.
のように行われる。(この例では文末の語を置換対象としているが、それ以外の箇所を対象とすることもできるし、また行われるべきであろう。)

 96型ドリルとの主な違いは、Wh疑問や語句置換が含まれている一方で、時制や態は網羅されていない、といったところである。さまざまな主語に取り組むべきである点は同じである。述部に関しては語句の置換しか訓練できないが、それでも何も見ずに訓練すれば非常に効果的なものとなるはずである。これも理由は96型ドリルと同じである。

 なお、このドリルではQとAとの間で立場の転換(you⇔me など)が行われているが、扱いにくい場合は立場を固定することも可能であろう。その場合、96型ドリルに近いかたちになる。


◇語句の置き換え

 既存の文に対して、その一部(語句だけでなく節でもよい)を他のものと取り替える訓練である。もちろん文字通りの置換だけでなく、付加や削除でもよい。

 元となる文としてはどんな種類の文を利用してもよく、置換対象とするパーツにも制限はない。そのため、かなりバラエティに富んだ訓練が可能である。ただし、ときどき置換不可能な場合もあるので、語法については注意が必要である。置換語句のリストを先に用意しておくとやりやすいであろう。


◇パターン・プラクティス

 語句の置き換えと同じような意味で用いられる場合もあるが、ここでは「特定の文法規則をいろいろな素材に適用する訓練」と定義しておく。つまり、意識的な<演算>訓練である。外心統語(元の語句とは違う品詞を生成する統語)の訓練を積極的に行うことにより、96型ドリルや転換練習の不足分を補うことができる。

 ここで注意すべきは、パターンやルールが天下り的に与えられるだけでは不十分だということである。全面的な応用力につなげるためには、パターンやルールの相互関係を知ったうえで、一つひとつ体系的に順序よく学んでいく必要がある。


◇YouCanSpeakメソッド

 これは『思ったことが瞬時に言える 英会話トレーニング』(木下和好、日興企画)で紹介されているものであり、文法ドリルの一種である。

 基本となる考え方は次のようなものである(p.23)。
……、実は英語の構造はもっと単純で、「名詞」と「動詞」の2大要素で成り立っている。「名詞+動詞」に「名詞」が加えられるか、あるいは「副詞」が付くかだけの単純な構造である。そしてこれらの単純な英文を名詞化、あるいは副詞化して、別の英文の名詞あるいは副詞と入れ替えると、ありとあらゆる英文を創り出すことが可能となる。
 著者は、「文の名詞化」が35種類、「文の副詞化」が13種類あるとし、更にそれらを4つのレベルに展開して具体的なドリル((35+13)×4=192例)を第2章に掲載している。そのうちの4つ目(pp.40-41)は次のようなものである。(実際には見開きで、左ページに日本語、右ページに英語が表示されている。)
【基本】 彼はよいリーダーです。
【変化】 よいリーダーになること
【代入】 その計画はやさしくありません。
【合成】 よいリーダーになることはやさしくありません。

【基本】 He is a good leader.
【変化】 to be a good leader
【代入】 The plan is not easy.
【合成】 To be a good leader is not easy.

 つまり、【基本】に対して「文の名詞化」「文の副詞化」を施すことによって【変化】を作り、それを【代入】の一部に組み込むことによって【合成】を作るわけである。この方法により、かなり複雑な文まで訓練できるようになっている。

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2006年10月01日

96型ドリルの全体像

 これは6年以上も前に作ったノートだが、96型ドリルを説明したファイルが見付かったので、ここに載せておきたい。

◇前提となること

 平叙(肯定/否定)疑問(肯定/否定)


◇全体の鳥瞰(肯定平叙文のみ掲げる)

基本6時制進行6時制





do/does (+……)
did (+……)
will do (+……)
have/has done (+……)
had done (+……)
will have done (+……)
am/are/isdoing (+……)
wasdoing (+……)
will bedoing (+……)
have/has beendoing (+……)
had beendoing (+……)
will have beendoing (+……)


am/are/isdone
was/weredone
will bedone
have/has beendone
had beendone
will have beendone
am/are/isbeingdone
was/werebeingdone
will bebeingdone
have/has beenbeingdone
had beenbeingdone
will have beenbeingdone
be動詞 am/are/is+補語
was/were+補語
will be+補語
have/has been+補語
had been+補語
will have been+補語
am/are/isbeing+補語
was/werebeing+補語
will bebeing+補語
have/has beenbeing+補語
had beenbeing+補語
will have beenbeing+補語

 ほとんどの人にとってこの表の中身は「常識」であろうが、通常それは単なる「知識」でしかない。たとえペーパーテストで満点が取れても、口頭で(もちろん正しい発音で)スラスラと言えるようでなければ、「技」として習得できているとは言えないものである。であるから、このドリルを決して甘く見ることなく、徹底的に訓練することが大切である。

 上表のうち「am/are/isbeing+○○」型のブロック(暗い背景の2セル)は滅多に使わないものだが、他の部分をマスターしていれば特別な困難なく習得できるであろう。

 訓練の順序については下記参照。


◇主語による動詞活用の違い

3人称単数1人称単数(I)その他全部
be現在isamare
過去waswere
have現在hashave
do現在doesdo

 主語として He、I、You の3種類を選べば全ての活用を網羅することができるが、長めの主語を含む文での訓練も絶対に必要である。

 不規則動詞と呼ばれるものは他にも少なからず存在するが、英語の場合、主語による違いはない。
 その他一般の動詞は do と同様の活用をする。

 英語の場合、主語によって活用が異なるのは上に掲げたもの(含「三単現のs」)だけであるが、英語以外の言語にはもっと複雑な変化をするものもある。その場合は、時制はそのままで主語を次から次へと取り替えていくような訓練をするとよいであろう。


◇ドリルの順序


基本6時制
 
 
進行6時制
一 
般 
動 
詞 
能動態 一般動詞 do (+……)  
 
be動詞doing (+……)




受動態 be動詞done
→→→→→
being挿入
be動詞beingdone


補語のところにdone


補語のところにdone
be動詞
(能動態のみ)
be動詞+補語
→→→→→
being挿入
be動詞being+補語

 表からも分かるように、まずはbe動詞一般動詞(能動態)それぞれの基本6時制に取り組んで、それらに慣れてから他の4つのブロック(beを含むもの)に進むのが合理的である。
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2006年09月30日

各種文法ドリルの統合?

 このブログでは拡大転換練習というのを紹介しているし、96型ドリル(長崎玄弥氏の)にもここで触れている。これらを知っている人の中には、例えばこの両者を統合したらもっと総合的なドリルになって、更に便利なものになるのではないか、などと考えたことがある人もいるのではないだろうか。

 もちろんそれは可能である。実際、すでにできているし、「改訂拡大転換練習」という名称でエントリーを立てるつもりでいた。しかし……、と今日になって思うに至った。

 両者を統合するとどうなるかというと、

 ・能動態/受動態
   ・非進行相/進行相
     ・非完了相/完了相
       ・現在/過去/未来
         ・転換練習の元となる文
         ・Sを軸に転換したもの
           ・肯定疑問中心/否定疑問中心
             ・Do(n't) you xxx?
             ・Yes, I do. I do xxx.
             ・Does(n't) he xxx?
             ・No, he doesn't. He doesn't xxx.
             ・Who does(n't) xxx?
             ・I do(n't) xxx.
         ・Vを軸に転換したもの
           (上と同様)
         ・O/C/Mを軸に転換したもの(その要素がある場合)
           (上と同様)

のような深〜い階層構造となる。これでどのくらいの組み合わせになるか、試しに計算してみると、仮に転換の軸が全部で5つ(例えばSVOCMが1つずつ)ある場合、最大で 2×2×2×3×(1+5×2×6)=1464 の文を言うことになる。
※Mは2つ以上共存しうるので、その場合は更に数が増える。また、要素の個数は同じでも、各要素に対していくらでも置換ができるので、それを一々試していくと、それこそ天文学的な数になってしまう(湯川氏はこれを「掛け算的組み合わせ論的爆発」と呼んでいる)。

 たった1つの文を元にしてソラで長時間(30分間ぶっ通しとか)の訓練ができるのは確かに便利かも知れない。しかし、はたしてこれは適切なやり方なのだろうか?

 このドリルで作られる文の中には、重要度の高いものと低いものとが混在している。その幅はかなり広い。にも関わらず、登場する頻度には差がない(ただし転換練習の性質上、回答としての平叙文にだけは反復がある)。しかし、重要なものにはそれ相応の時間と手間を割くのが合理的だろう。

 だから、ドリルとしては、ありとあらゆる組み合わせを満遍なく渡り歩くよりは、何らかの重点項目を設けた上で、それをシッカリ意識したかたちで行うほうがよい。要するに、転換練習と96型ドリルとは統合する必要はないし、むしろ、統合しないほうがヨリ合理的だということだ。

 もちろん包括的なドリルを否定する必要はない。やりたければ自由にやればよい。しかし、それは時折取り組む程度にして、ヨリ基本的な部分にヨリ多くの労力を投入するほうが確実だと思う。

 ところで、上記の問題(不当な均質化)が生じるのは主にどこなのかと考えてみると、それはこのドリルの外側の階層だということが分かる。これは96型ドリルに由来する部分である。つまり、96型ドリルが持っている「どの時制も同じ頻度で登場する」という性質にそもそもの原因があるわけだ。

 これを解決するには、「使用頻度の高い時制だけに絞ったドリルを併用する」という方法をとればよいし、実際、長崎氏自身の『英語スピーキング特訓ラップ』でもそれは紹介されている。実践家の知恵なのだろう。

 要は、むやみに統合するのではなく、むしろ逆に、バリエーションを活用することで差別化を図るほうがよいということだ。

 とは言うものの、上のような包括的方法にも意味がないわけではない。というのは、バリエーションを考える際の土台になる、という効能があるからである。その意味からは、バリエーションを考える前には包括的方法を(詳細が無理なら概要だけでもよいから)構想してみるべきであると言える。これはいわゆる「着眼大局、着手小局」というやつである(似た意味の英語表現に“Think globally, act locally”がある)。まあ、「無駄の効用」とも言えるだろうが。
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2006年07月17日

文法ドリルの二面性

 手元にある『3週間で英語が話せる魔法の英文法 Part3』を開けてみる。47ページには「『…(である)ことは』の意味で使われているWhat+be動詞+現在分詞」という単元があって、練習問題として次のような和文が並んでいる。

(1)非常に驚くべきことは彼が15カ国語を流暢に話せることです。
(2)私を悩ませ(bother)ていることは彼がいつも遅れてくる(keep...ing)ことです。
(3)非常に恐ろしい(→frighten)ことは犯罪(crime)率が年々(year by year)高くなっていることです。
(4)非常にがっかりし(→disappoint)ていることはパーティーが中止になったことです。
(5)非常にがっかりし(→dishearten)ていることはガールフレンドが別の男性と交際し(see)始めたことです。
(6)非常に恥ずかしい(→embarrass)ことは息子が警察に捕まったことです。
(カッコ内の語句は、「語句のヒント」として挙げられているもの)

 さて、(1)の英訳を見てみると

(1) What's so amazing is that he can speak fifteen languages fluently.

とある。これはこれでよい(ここのamazingは他動詞の現在分詞ではなく形容詞だから目的語がない、といったことは今は措いておく)。問題は学び方だ。

 この単元で習得すべきは What's so xxxxing is that節. という形式の文を作るための規範である。だから、まず前半については、例えば

(a) XXX amazes me.(元となる簡単な文)
(b) XXX is amazing.(ingの形に)
(c) what is amazing(名詞節に)
(d) What is amazing is ...(名詞節を主部に使用)

のように自力で展開できる能力が要求される。また後半についても

(p) He speaks fifteen languages.(元となる簡単な文)
(q) He speaks fifteen languages fluently.(副詞による修飾)
(r) He can speak fifteen languages fluently.(助動詞の使用)
(s) that he........(名詞節に)
(t) ... is that he........(名詞節を主格補語に使用)

のように自力で展開できる能力が要求され、両者の統合として先の英文が出力できることになる。

 しかし、実際にこのような具体的な英文を和文から作ろうとすると、「語句のヒント」にあるような知識が前提とされるわけであるから、この課題を首尾良くこなすためには、語句と文法の両方を学ばなくてはならないわけだ。

 もちろん、知らない語句を極力減らして例文を作ることは可能であるし、文法ドリルが目的ならそのほうがよいとも言える。そのような教材もある。しかし、「せっかく多くの英文に触れるのだから、どうせなら多様な表現も憶えてもらおう」と考えることも、それはそれで間違ってはいない。ただ、その面での負担が大きくなりすぎると、本来の目的がどこかに吹っ飛んでしまうという危険性には注意する必要があろう。

 上のような負担を軽くするためには、上で「元となる簡単な文」として挙げたような例文をまず最初にマスターしてしまうのがよい。そうすれば、後は文法的な課題に集中できるわけだ。また、そのような例文をたくさん憶えるに際しては、テーマや場面につながりを持たせてやるほうが憶えやすいであろう。

 結局、次のような段階に分けて学ぶのがよいのではないだろうか。

(1)基本文型を学習。ここまでにごく基本的な語彙とプロソディの基礎学習を済ませる。
(2)具体的なテーマ・場面を想定した例文をシッカリ憶える。
(3)そうやって憶えた例文を素材にして、各種の文法的演算を訓練する。
(4)慣れてきたら自由に組み合わせて多種多様な文を作り出せるようにしていく。

 ただ、実際にこの手順で学習するのが困難な場合には、次善の策として、

(1)同上
(2)単元に挙げられた例文を読んで文法構造を解析し、「元となる簡単な文」を抽出して憶える。
(3)その単元でテーマとされている文法的演算を訓練する。
(4)同上

のようにするのがよかろう。

 この場合、「元となる簡単な文」を憶えるのが負担になるようなら、語句については少し軽めに記憶するだけにしておいてもよい。理由は次の2つ。

(1)文法的演算の素材となる例文数が少ないので、各例文ごとの利用回数を多くできるから。
(2)それが重要な表現であるならば、学習していくうちに何度も出会うはずだから。
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拡大転換練習

 通常、「転換練習」とは、以下のようなものを指す。
 (『英語の文型と文法』p.251)

元の文:I studied English yesterday.
 (1) Did you study English yesterday?
  (2) Yes, I did. I studied English yesterday.
 (3) Did you study mathematics yesterday?
  (4) No, I didn't. I didn't study mathematics yesterday.
 (5) What did you study yesterday?
  (6) I studied English yesterday.


 (3)〜(6)で置換の対象とされているのは、この例の場合は目的語(English/mathematics)だけであるが、実際には「元の文」の各要素について置換を試みることができる。例えば…

・Sについて:
  (3) Did your father study English yesterday?
   (4) No, he didn't. He didn't study English yesterday.
  (5) Who studied English yesterday?
   (6) I studied English yesterday.

・Vについて:
  (3) Did you teach English yesterday?
   (4) No, I didn't. I didn't teach English yesterday.
  (5) What did you do yesterday?
   (6) I studied English yesterday.

・Oについて:(上例のまま)
  (3) Did you study mathematics yesterday?
   (4) No, I didn't. I didn't study mathematics yesterday.
  (5) What did you study yesterday?
   (6) I studied English yesterday.

・Mについて:
  (3) Did you study English the day before yesterday?
   (4) No, I didn't. I didn't study English the day before yesterday.
  (5) When did you study English?
   (6) I studied English yesterday.

といった具合である。


 なお、上では1つの要素をまるごと置換する場合だけを考えたが、“my father”→“my sister”のような部分的置換も考えられるし、複数の要素を同時に置換することもできる。いずれも必要性を感じたときに実施すればよいであろう。
posted by 物好鬼 at 22:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 応用力を付ける | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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