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2008年05月05日

既存の例文学習法(3)

◇96型ドリル

 これは長崎玄弥氏が若い頃(終戦直後)に徹底的に実践した方法である。『奇跡の英文法』(祥伝社、絶版)、『長崎玄弥の英語の攻め方』(アルク)、『英語スピーキング特訓ラップ』(同)などで紹介されている。

 具体的には、まず基本時制について肯定平叙→肯定疑問→否定平叙→否定疑問と進み、以下、過去・未来・現在完了・過去完了・未来完了・現在進行・過去進行・未来進行・現在完了進行・過去完了進行・未来完了進行の11時制について同様に行う(ここまでで48型)。更に、可能であれば受動態にして同じ48型を行う(これで合計96型)。
※詳細はこちら

 動詞の変化がスムーズにできるようになったら、文の一部を変更して試してみる。特に主語については、“He”や“My father”のような簡単なものだけでなく、“Daniel, Jeff and their parents”や“The guy I met yesterday”のようなものにも取り組む必要がある。主語が長いと疑問文での助動詞(常に文頭)と動詞とが遠く離れてしまうが、それに惑わされずに動詞の形をコントロールできるようになるためである。

 直接的な訓練の範囲は「表現統語」の一部に限定されているが、訓練の効果がそれだけに限られるというわけではない。実際、長崎氏は前出『英語スピーキング特訓ラップ』でこう述べている(p.96)。
 これは偶然の発見でしたが、私が96型を全部、完全に身につけたとき、英文法の中でも難しいとされている次の項目をマスターしていました。
・単文→複文→重文の書き換え
・時制の一致
・話法 直接話法→間接話法
・仮定法
(中略)どの時制を表現したい場合でも、瞬間的に正しい形を思い出すことができるのは大変な強みになります。
 上の現象の理由としては、単に処理速度がアップするというだけではなく、ワーキングメモリの容量が拡大するということも挙げられるであろう。これは96型ドリルに限ったことではないが、直接的な訓練目的以外の部分にも効果が発生することがあるという点には注意が必要であろう。


◇転換練習

 これは、ある特定の順序で文を「転換」していく訓練である。歴史は古いらしく、原形となるものが1961年発行の『英語の文型と運用』(小川芳男・安田一郎、平明社)にあり、定型化されたものが1970年発行の『NHK続基礎英語 英語の文法と文型』(安田一郎、日本放送出版協会)に紹介されている。最近では、前出『和魂英才 英語超独学法』(吉ゆうそう、南雲堂)が「6段階Pattern Practice」という名称でほぼ同じ方法を紹介している。

 転換の手順を吉『英語超独学法』p.83にある例を使って説明する。元の文が“He said he’d like to introduce me to a nice girl.”であるとして、
@Q.:Did he say he’d like to introduce you to a nice girl?
AA. Yes.:Yes, he did. He said he’d like to introduce me to a nice girl.
BQ. An ugly girl?:Did he say he’d like to introduce you to an ugly girl?
CA. No.:No, he didn’t. He didn’t say he’d like to introduce me to an ugly girl.
DQ. Who?:Who did he say he’d like to introduce you to?
EA. A nice girl:He said he’d like to introduce me to a nice girl.
のように行われる。(この例では文末の語を置換対象としているが、それ以外の箇所を対象とすることもできるし、また行われるべきであろう。)

 96型ドリルとの主な違いは、Wh疑問や語句置換が含まれている一方で、時制や態は網羅されていない、といったところである。さまざまな主語に取り組むべきである点は同じである。述部に関しては語句の置換しか訓練できないが、それでも何も見ずに訓練すれば非常に効果的なものとなるはずである。これも理由は96型ドリルと同じである。

 なお、このドリルではQとAとの間で立場の転換(you⇔me など)が行われているが、扱いにくい場合は立場を固定することも可能であろう。その場合、96型ドリルに近いかたちになる。


◇語句の置き換え

 既存の文に対して、その一部(語句だけでなく節でもよい)を他のものと取り替える訓練である。もちろん文字通りの置換だけでなく、付加や削除でもよい。

 元となる文としてはどんな種類の文を利用してもよく、置換対象とするパーツにも制限はない。そのため、かなりバラエティに富んだ訓練が可能である。ただし、ときどき置換不可能な場合もあるので、語法については注意が必要である。置換語句のリストを先に用意しておくとやりやすいであろう。


◇パターン・プラクティス

 語句の置き換えと同じような意味で用いられる場合もあるが、ここでは「特定の文法規則をいろいろな素材に適用する訓練」と定義しておく。つまり、意識的な<演算>訓練である。外心統語(元の語句とは違う品詞を生成する統語)の訓練を積極的に行うことにより、96型ドリルや転換練習の不足分を補うことができる。

 ここで注意すべきは、パターンやルールが天下り的に与えられるだけでは不十分だということである。全面的な応用力につなげるためには、パターンやルールの相互関係を知ったうえで、一つひとつ体系的に順序よく学んでいく必要がある。


◇YouCanSpeakメソッド

 これは『思ったことが瞬時に言える 英会話トレーニング』(木下和好、日興企画)で紹介されているものであり、文法ドリルの一種である。

 基本となる考え方は次のようなものである(p.23)。
……、実は英語の構造はもっと単純で、「名詞」と「動詞」の2大要素で成り立っている。「名詞+動詞」に「名詞」が加えられるか、あるいは「副詞」が付くかだけの単純な構造である。そしてこれらの単純な英文を名詞化、あるいは副詞化して、別の英文の名詞あるいは副詞と入れ替えると、ありとあらゆる英文を創り出すことが可能となる。
 著者は、「文の名詞化」が35種類、「文の副詞化」が13種類あるとし、更にそれらを4つのレベルに展開して具体的なドリル((35+13)×4=192例)を第2章に掲載している。そのうちの4つ目(pp.40-41)は次のようなものである。(実際には見開きで、左ページに日本語、右ページに英語が表示されている。)
【基本】 彼はよいリーダーです。
【変化】 よいリーダーになること
【代入】 その計画はやさしくありません。
【合成】 よいリーダーになることはやさしくありません。

【基本】 He is a good leader.
【変化】 to be a good leader
【代入】 The plan is not easy.
【合成】 To be a good leader is not easy.

 つまり、【基本】に対して「文の名詞化」「文の副詞化」を施すことによって【変化】を作り、それを【代入】の一部に組み込むことによって【合成】を作るわけである。この方法により、かなり複雑な文まで訓練できるようになっている。



posted by 物好鬼 at 16:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 応用力を付ける | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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