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2016年02月13日

文法規則は結構イイカゲン

今日は日本語の話。

まずは以下の4つの文を見てほしい。

 @彼 は 学生 でしょう。
 A彼 は 知的 でしょう。
 B彼 は 若い でしょう。
 C彼 は 働く でしょう。

いろいろな種類の述部について「〜でしょう」というパターンが成立している。このくらい綺麗に揃っているとわかりやすいし気持ちよい(笑)。
 
では、「でしょう」を「です」に置き換えるとどうなるか。

 @彼 は 学生 です。
 A彼 は 知的 です。
 B彼 は 若い です。
 C彼 は 働く です。  ??

現状の(標準的な)日本語では動詞の後に「です」は付けないから、Cが脱落することになる。ただし、上の「でしょう」のケースから考えるなら、ここにも「です」に相当する認識はある(のに表現はされないことになっている)のだろうという推測が成り立つ。
 
次に、「です」を「だ」に置き換えてみる。

 @彼 は 学生 だ。
 A彼 は 知的 だ。
 B彼 は 若い だ。  ??
 C彼 は 働く だ。  ??

現状の(標準的な)日本語では形容詞や動詞の後に「だ」は付けないから、BとCが脱落することになる。これは「である」についても同じことが言える。ただし、(以下ほぼ同文)。
 
この「認識はあるのに表現はされない」という点は、日本語学習者のミスを考える際に役立つ。私もたくさんの外国人と日本語で話したことがあるが、「彼は若いだと思います」というタイプのミスはいろいろな国籍の人がしていたと記憶している。もっとも、この部分については日本語のルールの方が捻(ひね)くれているのだから、学習者が苦労するのも無理はない。

論理的な理由がわからないせいで、ミス(とされる言い方)に聞き馴染んでしまうと違和感がなくなってくるという問題もある。実際、日本語を母語として育った私ですら、「彼は若いだと思います」型の文に対して抱くべき「何かおかしい!」という感覚が鈍ってしまった経験があるのだ。そんなこともあって、母語であっても文法の勉強は欠かせないと思っている。まして外国語の場合は、だ。
 
こういう「一貫性のなさ」は解消された方が学習者の負担は減るだろう。と同時に、現状に馴染んでいる者(特に母語話者)にとっては不満のタネになりうる。つい先日もフランス語の綴り見直しに関するニュースがあった(日本語でも戦後はいろいろあったらしい)が、合理性だけでは決められない問題と言えるだろう。
 
なお、同様の「一貫性のなさ」は英語にも少なからずある。それも be や do の周辺にいろいろ存在しているから、初心者が躓く原因にもなっている。そのあたりの話は別の機会に…。

posted by 物好鬼 at 12:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 語学の本質 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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