ざっと見たところ、国立大学協会の「数十万人が受験する規模のテストで、物理的に実現可能かどうかが最大のポイントになる」に尽きると思った。理想は理解できるとしても、何でもかんでもテストに盛り込もうとしすぎなのだ。
以下、入試に関する私見(試験だけに)。
国語は現状(センター試験+2次試験)のままでよい。それ以上の測定が必要ならその範囲でやればよいのであって、全員に高度なテストを受けさせる必要はない。
数学もほぼ同様だが、マークであれ筆記であれ、公式・定理の証明を扱うとよいと思う(この方法はおそらく物理でヨリ有効)。
英語については、現状のものに加うるに
@英語の音声(100語程度の未知のパラグラフ)を
30分で答案用紙に書き取る
A書き取ったものを
30分で暗記する
B暗記したものを
20分で別の答案用紙に書き出す
(@の答案用紙は見ないで行う)
というテストを課してはどうか(時間や語数は仮のもの)。課題のパラグラフは、文法・語法・語彙・音声などに関する知識や能力によって聞き取りやすさや覚えやすさが違ってくるように作成しておく。
この方式には
・受験者の英語力が多面的に測定できる
(Bを口頭で行えば更に総合性が高まる)
・創造性を問わないので
・採点の手間が比較的小さくてすむ
・採点結果のバラツキも少ない
・試験対策がそのまま英語力向上につながる
といったメリットがあろう。
これで散々な結果に終わる受験生は英語の基礎力が不足しているはずだから、スピーキングテストなどを課してもあまり意味があるとは思えない(基礎力不足のまま無理に対策してもブロークンを加速するのみであろう)。つまり、パラグラフ書き取り・暗記・書き出しのテストはスピーキングテストなどへの足切りとしても有用であると考えられる。
蛇足:センター英語のリスニングについては、@スピードを5割くらい上げる(内容が易しいのだからスピードを落とす必要はない)、A1度しか聞かせない、の2点を提案したい。リーディングは制限時間を短くするとよい。完璧にはほど遠いとは思うが、これだけでもかなり実戦的になるはずだ。