まず、東大入試の解答用紙がどのくらい特殊なのかについては、私はよく知らない。しかし、仮にかなり特殊なものなのだとしても、それに対処するくらいで芽を摘まれてしまうような貧弱な「創造性」「頭の良さ」「発想力」ならば、それはどこの世界でもあまり役立たないのではないか。ちなみにだが、学者が書く学術論文にしても、決められたルールに従うことを求められるのだ。
そもそも受験生としては試験問題のクセへの対処は必須であろう。もちろんその中には、解答用紙の特殊性というのも含まれる。そして、その対処法を見出すには、それなりの「創造性」「頭の良さ」「発想力」が必要とされるだろう。
となると、「その対処法を<自分で>考え出すのかそれとも予備校などに教えてもらうのか」ということの方が、当人の知的発達に対する影響が大きいはずだ。一般化して言うと、予備校などの意義・役割にも言及する必要があるということだ。もちろん、受験に関するありとあらゆる対処法(解法なども含む)がここで問われることになる。
なお、東大生と創造力の関係というテーマを取り上げるのであれば、進学振り分けの存在を忘れるわけにはいかない。すでに大昔からよく知られた問題ではあるが、なぜか記事中では一言も触れられていない。