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2015年11月07日

試験対策だけが試験対策ではない

来年5月から TOEIC テストの出題形式が変わるという話が英語学習者の間を駆けめぐっている。試験の出題形式・傾向といったものは、受験生にとっては非常に気になるものなのだろう。しかし、考え方はいろいろある。

少し長いが引用から入りたい。
もし、習ったことのない新傾向の問題が出たらという不安は、受験生の脳裏から片時も離れることはないでしょう。しかし、私はそれではいけないと思うのです。どんな問題が出題されても、本当に英語を理解していたら、解けて当たりまえです。そのような応用のきく文法力は、通り一遍の勉強では身につくものではありません。本書の目的の1つは、英文法の知識と、理解を一段深く掘りさげることです。数学の得意な学生が、初めて見る問題を、楽しみながら解けるように、英語力も出題傾向を超越した域まで持っていってほしいと願うのです。また、それは実に簡単な道なのです。本書は、皆さんの英語の理解力を、かならず高めることを確信します。

これは私が高校時代に読んだ(そして今でも愛読している)長崎玄弥『奇跡の英文法』の序章に書かれている言葉だ。この主張を真に受けた私は、ほとんどこのままの姿勢で受験生活を乗り切った。そうしたのは英文法だけではなかったから、私に対する氏の影響は極めて大きかったということなのだろう。

正確に言うと、数学だけは2浪目の最後に赤本『東大の数学』をやったし、それはとても大きな効果があった。しかし、その他の科目は赤本をやらず、特に英語と国語については(英語は赤本『東大の英語』を持っていたのに)、たま〜に受ける模擬試験の機会を除いて、問題演習と呼ばれるものをまったくと言ってよいほどやらなかった。正直に言うと、数学と物理以外で問題演習をするのが面倒臭かったというのが最大の理由であって、それが許されてしまったのはまさに自宅浪人なればこそではあった。

それでも何とか合格できたのだから、「出題傾向を超越した域まで持ってい(く)」ことにはそれなりに成功したと言ってよいのだろう(実際、東大の出題傾向は今でもよく知らない)。他人のペースで勉強することが苦手だった(お金もなかった)私は塾や予備校に行かない道を選択したが、それだけに「自分の力でやりたい」という気持ちは人一倍強かったし、合格後の「自分ひとりでやったぞ!」という感慨もひとしおだった。多分に僥倖(棚ぼた)だったという可能性を考慮しても、だ。

もちろんこんなやり方をすべての人に勧めようとは思わない。しかし、試験と言えば「傾向と対策」だという風潮に対する一つのアンチテーゼとしてであれば、こんな前例にも存在価値があるのではないかと考えている。自分なりのジンテーゼを見つける参考にしてもらえばよい。


これは蛇足だが、TOEIC に限らずどんな試験でも、プロパーな対策をすればするほどそのスコアは「実力」から遠ざかるものだ。もちろん現在の TOEIC などは小手先で何とかなるような試験ではないと思うが、ルールを設けて公平・公正に実施しようとするかぎり対策の余地があるのであり、この種のギャップはゼロにはならないだろう。

だからこそ、個別の試験にプロパーな対策はできるだけ少なくすませたい(特に試験以外で役立たない「テクニック」なるものは皆無にしたい)と私は考えてしまう。それは「問題演習が面倒臭い」という私の個性(?)に根ざすものではあるが、その背後には「基礎を重視してそれを最大限に活用したい」という大義名分(?)もある。だから、多くの受験指導者がそういう考え方を私と共有するようになったら面白いと思うし、そのとき受験産業はどう変わるのか?…などと妄想することもある。

posted by 物好鬼 at 12:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 学習一般について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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