日向『即戦力がつく英文法』購入。読むのはおそらく週明けからだが、ネイティブ感覚を持った著者による非常に有益な労作だろうと予感している。ただ、私は拙著において5文型を援用しているという事実があるので、著者の「5文型の問題点」(p.24)に対しては私なりの考えを記しておくべきだろう。
@必須の副詞句については、各文型の「亜型」として挙げれば足りると思われる。
A疑問文や命令文などは、対応する平叙文と同じに考えればよい。SVOOやSVOCをSVCやSVOと同列に扱うべきでないという考えは首肯しうるが、それは使い方の問題であり、5文型そのものの否定には直結しない。
※ついでに、出現頻度の大小は学習に要する時間の長短とは必ずしも比例しないということを指摘しておきたい。というのは、SV/SVC/SVOのようにわかりやすいものは比較的短時間の学習で足りるが、SVOO/SVOC(特に後者)のように理解しにくいものは、より長時間の学習が必要だからだ。
B実証研究については私はよく知らない。ただ、初心者が書いた英文をネットで見ると基本的な文構造を理解していないと思われるものが多く見つかるが、私の見る限りでは、それらのほぼ全部が5文型で説明できる。洋書や洋雑誌に出てくる英文も同様で、私自身には5文型が役立っているという実感がある。
C5文型を活用することは「5文型中心の勉強法」を必ずしも意味しない。拙著のようなもので基本構造を押さえたら、日向本などでナマに近い英文に接することにより感覚を養うべきだろう。
→結論としては、「5文型は不完全だが有用でもあるから、産湯と一緒に赤子を流すべきではない」と私は考える。
基本文型を学ぶときに注意すべき点は、be 動詞と一般動詞の違いだ。疑問文を作るとき、古くは動詞を主語の前に出していた。助動詞発生後は助動詞を前に出すことになったが、ここまではドイツ語も同じ。しかし、一般動詞に do を使うようになって全3系列になった。5文型ではこれが見えにくい。
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