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2014年11月14日

英語に求める正確さ、その基準

私は主に武道の関係でこれまでに40ヵ国以上の人と会ってきた(今でも Facebook 友達の出身地は40ヵ国以上のはず)。私が話せるのは日本語以外にはそれなりの英語だけ(ちなみにドイツ語は挨拶+α程度)だったから、彼らのほとんどとは英語でやりとりしたわけだが、40ヵ国以上ともなると相手の英語力の方はまさにピンキリだった(※)。なかでも非ゲルマン語圏の人が話す英語は文法的にも語彙的にも発音的にも破格(?)な場合が多かったが、そのような相手と話すときは、私の方もかなり気楽だったことは否定できない。なぜか? それは、私が何か間違ってもほとんど気付かれないからだ(笑)。

※ギリシャ人の中には自分の名前をラテンアルファベット(ローマ字)に転写できない人もいた。もちろんそういう人たちは英語を喋るのもできなかった。一口に外国人といっても、英語力にはそれだけの開きがあるということ。

しかし、そういう状況に甘えてばかりいると、自分の英語の正確さが伸びなくなる危険性もある。だから私個人としては、
与えられた言葉を母国語とする人々が、それを読み書き話すことを基準にして、正しく理解でき、使えるようになること
(種田輝豊『20ヵ国語ペラペラ』p.244)
を今後も大切にしたいと気持ちを新たにしている。ちなみに私にとっての英語の基準は、教養あるアメリカ人のそれだ。

もちろんこれは私個人の、それも「英(米)語」という言語に対する考え方でしかない。だから、他の人が皆そうすべきだと言うつもりはないし、同じ人でも言語によって違う対応をとることはあってよいと思う。たとえば、単に海外旅行を楽しみたいだけなら、正確さについてあまり難しく考える必要はないだろう。ただ、そのレベルでは本格的なビジネスには不向きだろうとも思う。

このあたりはその人の必要性次第ではある。しかし、いったん雑な、荒っぽいものを身に付けてしまうと、それを後からキッチリしたものに置き換えるのは大変であろうことは簡単に予想できる。となるとやはり、最初はあまりカジュアルすぎないものを丁寧に押さえておいた方が、後から無用な苦労をせずに済むのではないかと思う。たとえ学習開始時に「この言語はビジネスには使わない」と思っていても、ある程度話せるようになると気が変わるということは、大いにありうることだ。

それで思い出したが、最近よく耳にする「通じればいい」という考えは正しくないと私は考えている。本当は「通じればいい」ではなく「通じなくてはならない」のはずだ。つまり、通じることは十分条件ではなくて必要条件なのだ。そしてそれにどれだけ上乗せするか(できるか)が、その人の人間としてあるいは専門家としての評価に繋がるのだと思う。これは「言うは易く」ではあるが、だからこそ価値があるのだと考えたい。

最後に前掲書のpp.187-188よりもう一つ引用して終わりにする。
 単語は何千何万と知りながら、ブロークンを平気でいうような人は、正しく用いる人から軽蔑されることはいうまでもない。ビジネスマンだったら、相手に悪印象を与え、人格を疑われることにもなりかねない。けだし、人間はことばにデリケートなニュアンスをふくませて、はじめて真の意思を通じあうこどができるものだからである。
 わたしはいつもそういう点に、人一倍注意している。私に相手の外人は「タネダはどうして完全にしゃべりたいのか?」とたずねたことがある。要するに、多少ブロークンでもかまわないではないか、というわけである。しかし、わたしはそれをしない。話しているうちに詰まると、わたしはだまってしまう。その方が身のためだからである。
 そこでその外人は、他人にわたしを紹介するとき「この人は絶対にまちがわず、正しく話す人だよ」といつもつけ加えてくれるのである。
 わたしは正しく話すものでありたいし、そうあるのが、その国語にたいする正しい態度だと信じている。
まさにまさに。

posted by 物好鬼 at 21:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 語学の本質 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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