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2014年07月26日

My father is my mother.

"My father is my mother." といえば「私の父はわがままだ」と読むのが昔からの定番だが、今日の話は少し違う。

さて、日本語の音に「清音」「濁音」の区別があることはよく知られている。要するに

 「かきくけこ」と「がぎぐげご」
 「さしすせそ」と「ざじずぜぞ」
 「たちつてと」と「だぢづでど」
 「はひふへほ」と「ばびぶべぼ」

のような対応関係だ。

一方、英語の発音では無声音と有声音の区別がある。つまり

 kとg
 sとz
 tとd
 pとb

といったものだ(他にもいくつかある)。

上の清音・濁音と比較してみると、最後のペアだけ食い違っているように見える。発音の仕方から考えるかぎり日本語の方がおかしい、とさえ思える。実際、日本語では「ぱぴぷぺぽ」は「半濁音」と呼ばれて例外的な位置づけになっている。

これには理由がある。実は昔の日本語では「はひふへほ」は「ふぁふぃふふぇふぉ」、もっと前には「ぱぴぷぺぽ」のように発音されていたと言われているのだ(ここ参照)。

これは「はひふへほ」の子音はpだったということであって、そう考えると、上の「食い違い」は実は食い違いではないことがわかる。当時の音声のもとでは、五十音図は実に合理的にできていたわけだ。

…ということは、だ。その頃の日本では 「私のパパ」=「わが母」、英語に訳すとまさに "My father is my mother." だったということになる!

これでようやく記事タイトルとつながった(笑)。

posted by 物好鬼 at 09:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 英語論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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