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2012年07月26日

学校の勉強は役に立たない?

別に大した意見を持っているわけではないのだが、思いついたことをメモしておきたい。


まず、「役に立たない」派の人たちは、各科目の個別的な知識や理解を問題にすることが多いが、そういう人たちの主観とは裏腹に、実際には学校で習ったことが役立つ場面・空間は少なくない。英語などはその最たるものだが、数学や国語もそうだ。

「自分は英語も数学も必要としてないよ」と嘯(うそぶ)く人は、そういう恵まれた(?)環境にいるだけにすぎない。自分が必要としていなくても、社会全体としてはそうではないのだから、その点は正しく認識する必要があろう。


ところで、勉強の役立ち方はそれほど単純ではない。上のような「各科目の個別的な知識や理解」だけでなく、「発想」とか「頭の使い方」が役立つ面もあるからだ。「個別」よりも対応する幅が広いので「特殊」面であると言えようか。

その典型が数学的なものだ。

高校に行けばほとんど誰もが微分積分や数列や行列を習う。その知識を実社会で使う人は確かに少ないだろうし、私もあまり使わない。プログラミングをしていると数列や行列は使うが、微分積分は(私個人としては)ほとんど使わない。

しかしそれでも、それらのテーマを学ぶ中で身に付けてきた頭の使い方は役に立っていると感じる。一つひとつ段階を追って確認しながら考えるというのもそうだし、具体的な問題を論理・数理という抽象化されたかたちで捉え返すというのもそうだ。

ただ、「センター試験のために嫌々勉強した」という程度だと、この種の恩恵はほとんど受けないだろうとも思う。頭の使い方というレベルで役立てられるようになるには、かなり熱心に勉強する必要がある。そしてここまで来れば、さすがに「学校の勉強は役に立たない」という主張はほとんど無意味だとわかるだろう。


さて、勉強の役立ち方として「個別」「特殊」の2種類をとりあげてきたが、役立ち方はそれらにとどまらない。

私に言わせれば、学習経験が持つ最も重要なポイントは、「必要に応じて新しいことを勉強し、自分のものにできる」という確信・自信だ。自分で目標を設定し、自分で計画を立て、自分で実行(勉強)し、自分で反省・軌道修正し、自分で成果を出す…というプロセスを経験しておくことは、全然別の分野であっても一般的に役立つものだからだ。(逆に言えば、学校の勉強以外のことでも同様の効果を発揮しうる。)

その意味で、受験勉強はとても貴重なチャンスである。「自分で目標を設定し……自分で成果を出す」ことを大々的にやれるだけでなく、最後に「みんなで喜ぶ」というオマケまで付いている。だから、全力で頑張らないのは実にもったいない。


以上を要するに、「学校の勉強は役に立つか」という問いに対する答は「大いに役に立つ」であり、それも個別/特殊/一般の三重構造で役立つのだ、ということである。


ところで、つい最近だが、ひょんなことから自分自身の浪人時代について振り返る機会があった。具体的には、当時読んでいた本を並べてみたのだ。懐かしい本たちを見て実感するのは、<貪欲さ>というものがいかに大切かということだ。

私は2年ばかり宅浪したが、その間にはいわゆる受験参考書以外の本を何十冊も読んでいる。その中には武道論・自然哲学・論理学などの理論書、学習術・能率術などのノウハウもの、それからメンタル面を支えるための本などがある。

そしてそれらのうちの10数冊はボロボロになるまで読み込んでいる。逆に言えば、受験勉強に割いた時間はそれだけ短かったことになる。もちろん、受験参考書も一部はボロボロにしたが、そうでないものの方が圧倒的に多かったようだ。

それで感じるのは、単に時間とかページ数とかではなく、取り組むときの「熱」がポイントだったのだろうということ。今考えてみると必ずしも効率的とは言えない勉強方法ではあったが、それでも「熱」「貪欲さ」という意味では今よりもはるかに優れたコンディションだったように思える。今の私にはその点が不足していると反省している。

高校生や大学生であれば夏休みという貴重な期間が始まったばかりでもあるし、是非そのチャンスを最大限活用していただきたいと思う。

posted by 物好鬼 at 07:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 学習一般について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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