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2006年11月05日

森を覚えて木を忘れ(例文暗記の問題点)

 例文暗記、特に「和文をちらっと見ただけで英文が言えるようにする」という学習がよく行われている。それは別に悪いことではない。必要なことですらある。しかし…

 実はこの方法には落とし穴がある。あるいは盲点というべきか。ちょっと書いてみたい。

 唐突ではあるが、皆さんは十二支がスラスラと言えるだろうか。仮に言えるとして、「巳(み)年の次は?」といった問いに即答できるだろうか。大半の人は「ええっとぉ、ねぇ・うし・とら・うぅ・たつ・みぃ・うま…、あっ、午(うま)年だ!」となるはずだ。いきなり「みぃ・うま」と言える人は少ないと思う。アルファベットの順番なら何とかなるという人でも、イロハで同じことをするのは難しいだろう。

 同じことは英文についても言える。つまり、単に例文を丸暗記しただけだと、大抵は頭から思い出すことしかできないということだ。決まり文句ならそれでもいいのだが、そうでない場合には、せっかく覚えた例文があまり役立たないという現実に直面することになる。そして残念なことに、素材の大半は決まり文句ではない。まあ、読み書きなら考える時間があるからまだ何とかなるとしても、会話(特に「話す」)ではイライラするくらい役立たないはずだ。これではスムーズな会話など到底無理だ。
(ここでは個々の英文とその内部の要素との関係について述べているのだが、文章と個々の文との間についても同様のことが言える。理屈は同じなので割愛する。)

 ではどうしたらよいのか? まず何よりも、途中のどこからでも自由自在に思い出せるようになるまで徹底的に覚えることが必要だ。もちろん全ての素材についてそのような勉強をする必要はないが、少なくとも自分にとって「核」となる素材(例えば基本書の例文など)についてはこの種の努力をすべきだろう。

 しかし、これはあくまでも必要条件であって、決して十分条件ではない。つまり、単に徹底的に覚えるだけでは、思ったほど自由には使いこなせない。というのは、往々にして、形を変えて使う必要が生ずるからだ。例文暗記という方法について賛否両論が存在するのは、そんなところに理由がある。これは「文を覚えたかどうか」という表面的なことだけではなく、「そのときに頭の中で何が行われているか」「どのような作業を可能とするような学習が行われているか」に着目しないと、正しい判断はできないであろう。

 では、その「頭の中の何か」のために何を為すべきかだが、それは「文」というものを「その内部に構造を持ったもの」として認識し、習得する作業である。そのためには別記の「再措定的学習」が有効だ。また、語句の置換や各種の文法ドリルを行うことによって、様々な使い方(組み立て方)に習熟することができる。もちろんもっと自由な試行錯誤も有効ではあるし不可欠でもあるが、同時にその危険性も認識しておく必要があろう。


参照)一覧用ページ


posted by 物好鬼 at 22:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 例文そのものの学び方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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