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中学レベルの英語はすべての基礎ですし、日常会話にも必須のものばかりですから、学んだことはすべて正確に読めて聴けて書けて話せるようにするのが理想です。それをやればある程度の会話はできるようになります。私自身も中学時代からアメリカ人としゃべっていました。
学習順序ですが、4技能間の難度の関係から言えば、読解から入るのが適切だと思います。その後「話す」までできるかは、授業時間との兼ね合いを考える必要があります。
基礎ができていれば、この「話す」練習は自習でも可能です。ただ、授業であれ自習であれ、正確に読めないものを書いたり話したりしようとすると、おそらくはブロークンにしかなりません。それを避けるためにも、読解は必須ですね。
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同じ素材については「読む」が一番簡単なのですから、読めもしないことを話そうとするのは無理があります。なので、個々の素材については、読むところから始めるのでいいんです。むしろ、そこから始めないと、不正確なまま慣れてしまうことになります。それがブロークンの問題です。一旦悪い癖が付くと、後で修正するのは困難です。
しかし、だからといって、読むことばかりが先行すると、「読む」と「話す」のギャップは広がる一方です。実際、TOEIC対策をメインに勉強してきた人の多くは、そうなっていますね。
じゃあどうしたらいいのか、と言えば、読めるようになった素材から順に話せるようにしていけばいいわけです。より具体的には、読めるようになったら聞けるようにし、音を耳に焼き付け、口まねし、音読し、何も見ないで言えるようにし、語句の入れ替えや転換練習を(もちろんソラで)し、更に自由に使えるようにしていきます。
要するに、多くの人が話せないのは、読んで学んだことを話すことに結びつける訓練をしていないからであって、読解が悪いわけではありません。読解は必要条件です。それは決して十分条件ではありませんが、さりとて話すことの阻害要因であるわけではありません。なので、「読解か会話か」と考えるのではなく、「読解から会話へ」であるべきだと私は思います。
ただ、学校の授業だけでは時間の関係もあって、望まれることの全てが行われることは期待できません。となれば、自分でやるしかありませんし、そうすればいいことです。そして、そのための基本的な素材は中学校の教科書に書かれています。
まあ、私のような若輩が言っても説得力がないかも知れませんので、大先輩の言葉を引用します。
「望まれる、片寄りのしない勉強方法−−これは結局、読解力と作文力の間の実力の差ができるだけ小さくなるような方法で勉強することである。
読解力の養成は、読み・書き・話・聞きの四つの中でも、もっとも進歩が速い。作文力は、書きと話の母体である。作文力がないのに会話ばかり練習していると、何年たってもブロークンしか話せないのもあたりまえのことである。というのは、作文力こそ、正確な文法的知識に立脚するものだからである。」(種田輝豊『20ヵ国語ペラペラ』p.161)
後は、自分で実践した上で評価することが大切です。
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文法については、
(1)基本的なものから体系立てて学ばせること
(2)知識に終わらせず、身に付けるようにすること
の2点が大切であると思います。
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あと、文法はとても便利で有用なものなのですが、ややもすると様々なルールが天下り的に押しつけられがちであるのも事実です。その意味からは、演繹的学習と帰納的学習のバランスも大切です。
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(転載おわり)
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