その理由の最たるものはその内容の複雑さなのだろうが、他にもあるのではないだろうか。それは
「言葉のルールを言葉で説明しているから」
というものである。
多くの場合、英語について説明するのに日本語を使っているが、それでは語彙・語順の双方において日本語の呪縛から逃れられない。
しかし、英語で説明されたとしても、肝心の英語に慣れてない人にはなかなかスムーズに理解されない。
このジレンマを克服するには、言葉以外の説明の力を借りることが有効だと考えられる。では、その「言葉以外の説明」とは何か? その代表的な候補が視覚的な説明、つまり「図」である。
例えば、“I wonder why the food the person next to you is eating always looks so good.”という英文を扱うとしよう。語句の意味はともかくとして、文の構造を言葉だけで説明しようとすると、かなり手間取るはずだ。しかし、
のような図があったらどうか。学ぶべき内容が分かりやすいかたちで視覚化されていれば、言葉による説明は最小限で済む。さすがにゼロにはできないとしても、かなり軽減できるのは間違いない。言語学習における「見える化」の効用である。
英文構造図はあくまでも文の構造に特化したものではあるが、「見える化」という意味では充分お役に立てるものと自負している。上の図の読み方はこちらに書かれているので、ご覧いただければ幸いである。