ところで、この本の特徴は構造図の活用にある。また、5文型の展開を説明するときの構成は独自のものになっている。しかし、各項目の説明内容には特に新しいものはない。
そんなわけで、説明内容の元資料としては、高校生向けの構文の本などを使用している。ただ、説明の順序が違う関係で、普通の使い方ではあまり便利とは言えない。そこでちょっと工夫してみた。
それが、今回のタイトルである「バラして編集」である。最近は「自炊」のために本を裁断する人も少なくないが、それでもやはりもったいないと思う人もいるはずだ。実は私もそうだったのだが、活用しないで死蔵するくらいなら、むしろ形式にこだわらずに酷使すべきだと考えるようになった。
さて、私が使っている参考書は複数あるが、バラそうと思ったものはいずれも見開きが単位になっていて、左ページに説明、右ページに問題という構成になっている。執筆の元資料としては左ページ(説明)だけあれば足りるので、全ページをカッターナイフで切り取って、左ページの左端(本の前小口側)にゲージパンチで穴をあけてルーズリーフ状にした。そして、それらをそれなりに並べ替えて区分し、適当な分量ごとにA5バインダー計4冊に綴じた。今回は左ページしか必要なかったので切るだけでよかったが、もし左右両ページが必要であれば、古本屋で同じものを2冊購入してもよい。
さらに、並べ替えの作業にも少し工夫をしている。具体的には、付箋(Post-it)に見出しを書いて貼り付けたのだ。現在は2階層で分類になっている。付箋のおかげで並べ替え作業もしやすくなった。その作業に数日を費やし、ようやく完成したのが先月末。
現在は、このファイルをマメに参照しながら執筆している。自分で書いた原稿もA5の紙に印刷して一緒に綴じてあるので、関連する箇所をいつでも参照できる。書き直しはリーフ上にメモをしておいて、必要なページだけ更新・印刷して差し替える。便利なことこの上ない。この勢いに乗って、年末までには何とか全体を書き上げたいと考えている。
私の場合は自著の執筆が目的であるが、純然たる学習者がサブノートを作成するのにも、同じ方法が使えるだろう。もし部屋の中に手頃な教材が何冊かあれば、そのうちの1冊を裁断することから始めてみるとよい。実際にやってみれば、学習の主役は自分なのだということが実感・再確認できるはずだ。それに、教材を裁断することで「引き返せない」という気持ちになるので、これまでとは少し違った緊張感で勉強できる。この機会に是非お試しいただきたい。