(1) 新刊 『英文構造図』(第3版) 大好評発売中!
  10265528_10152449507841816_3640753823111937564_o.jpg
(2) 英文構造図の詳細は 公式サイト をご覧ください。
(3) ブログ記事の体系的閲覧には 目次一覧 をご利用ください。

2006年08月18日

単語記憶の方策・2(ボツ)

 11日ほど前に書いた「単語記憶の方策」では、

  英単語と訳語とをまとめて、あたかも一語であるかのように扱う

という方法を採用し、「英単語+訳語」を音読することから始めたのであった。
 ところが、このやり方では、ちょっとやそっと音読・リテンションしたぐらいでは、あまり記憶に残らなかった。その原因は何か、しばらく考えてみた。

 記憶という作業に慣れていないことは否定できないとしても、原因はそれだけではないだろう。例えば、頭への負担が少なすぎるということが考えられる。つまり、たかが1組の「英単語+訳語」を見ながら(あるいは見た直後に)声に出すだけでは、あまりにも簡単すぎて記憶に残らない、ということだ。
 この問題を解消するためには、逆のことをすればよいはずだ。そこで、

  書かれていないものを自力で思い出し、シッカリと思い描く

という過程を踏むように方法を変更してみよう。
 ただし、いきなり「英単語と訳語との連結」をやろうとすると負担が大きくなりすぎてしまうかも知れないので、今回は横着をせず、

  ・左辺そのもの
  ・右辺そのもの

から始めるようにしたい。

 ではどうするか? 「書かれていないものを自力で思い出し…」とは言っても、何も書かれていないのでは管理しづらい。そこで、簡単なヒントを置いて想起のための手掛かりとすることにしよう。
 例えば、覚えたいリストが

  nearsighted   近視の
  negligent    怠慢な
  renovate     修復する
  indicate     指し示す

だったとすると、まずはこのリストをシッカリと舐め回す。テキストに解説や例文があったら、それらも丁寧に読み、イメージをふくらませる。直接的な記憶対象ではないが、核となる部分を周辺から支えてくれることが期待できるからだ。

 書かれている内容に馴染んできたら、各語の先頭部分だけを

  nea       近
  neg       怠
  ren       修
  ind       指

のように書いたものを準備する。そして、これを見ながら元の「英単語+訳語」を思い出して言っていくのだ。どうしても必要ならヒントを増やしてもよいが、多くなりすぎないようにする。最初は少ない語数から始めて、最終的にはその日の分全部がスラスラと言えるようになるまで反復する。

 以上が初日の学習である。翌日からは「両者の連結」に取り掛かることになる。

 まず最初に、上のリストの空白部分を補充し、通常の形式にしておく(せっかくだからスペリングも確認する)。

 ここからは旧版(11日前の方略)と同じく秒速学習を行う。もちろんこれも最初は少ない語数から始め、慣れるにしたがってリストを長くしていく。気分転換を兼ねて、例文の音読を間に挟むとよいと思う。

 思い出しにくい語があったら、記憶のための「ひっかかり」になるものを何か書き込んでおく。前回は最初からノートに書いていたが、この種の情報は必要性を感じたときに補充するようにしたほうが無駄が少ないと思われる。
(蛇足だが、書き込みの分量が少ないなら独立したページは不要かも知れない。見開きの両ページをリストに利用する場合は、左右で表示順序を逆にするとよいだろう。つまり、左ページが 和|英 なら、右ページは 英|和 とするのだ。こうしておくと、表紙を曲げて答を隠すことができる。もちろん、柔らかい表紙の小型ノートを使うことを前提としている。なお、ところどころにメモ用のページがあっても構わないと思う。)

 辞書には膨大な情報が掲載されているが、それをノートに逐一転記する必要はさらさらない。必要なら辞書そのものを見ればよいからだ。訳語についても、教材に書かれているものをそのまま利用するという方法で問題ないと思う。同じ見出し語が複数回登場しても一向に構わない。ポイントを絞って、その場その場で確実にマスターしていくことが大事だ。


 まとめると、

  ・左辺と右辺を記憶しやすくするために頭文字ヒントを用いる
  ・記憶のための「ひっかかり」は必要性を感じたときに書き込む
  ・辞書からの転記は最小限にとどめる
  ・例文を音読する

というのが今回変更した部分であり、その他は前回と変わらない。

※頭文字ヒントを使用する方法は、栗山実『マルチ速学術入門』 『キャリアアップの勉強法』を参考にした。ただし、具体的なやり方は変更した。

※この方法を例文暗記に役立てるためには、ヒントの作り方に工夫が必要そうだ。単に頭文字を示すだけではなく、文の構造を示したほうがよいからだ。なので、もし単語と同じ小型ノートを用いるとすると、1ページに2文程度しか入らないと思う。それでも1冊で200文以上にはなるが。


 もちろん実践=実験はこれからなので、まだ何も実証されてはいないが、自分なりに頑張ってみようと思う。どんな結果が出るか、乞うご期待。


 最後に−−ネット上でいろいろ探してみると、5万語以上の目標を掲げて頑張っている人が何人か見付かる。それを考えると、たかが英検1級15000語程度でヒーヒー言っていたらお先真っ暗だという気がしてくる。頑張らねば。


※この項目はボツ。新版はこちら
posted by 物好鬼 at 06:51| Comment(5) | TrackBack(1) | ボキャビルの方法論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
コンピュータ音痴のオジサンですが、がんばって英検関係のブログをたちあげました。広く知ってもらおうと営業中です。トラックバックさせていただけますか。よろしくお願いいたします。

ボキャビルがんばって下さい。
Posted by かいちゃん at 2006年08月20日 18:17
 コメント&トラバ(いずれも第1号)ありがとうございます。英語に関しては「かいちゃん」様の方が数段先輩のようですが、それぞれの環境でお互いに頑張りましょう! 今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by 物好鬼 at 2006年08月20日 19:54
物好鬼さん
さっそくの投稿ありがとうございます。
あなたの英単語増強に対する意欲に敬意を表します。わたしも30歳代にボキャビルする方法に悪戦苦闘しました。おそらく単語を増やす最良の方法は個々人によってことなると思います。いずれあなた自身にとって最良の方法が見つかると思います。私のようなオジサンにも嵌った英単語記憶法があります。おって当方のブログで紹介sていきたいと思っております。

同じ英語道をあるく同胞として、今後ともお互いに情報交換および激励をしていければ幸いです。よろしくお願いいたします。

かいちゃん

Posted by かいちゃん at 2006年08月20日 20:40
探求心が旺盛な方ですね。
すごいと思います。
私も英語学習スキルを追い求めています。

http://blogs.yahoo.co.jp/sekkati
Posted by sekkati at 2006年09月17日 21:02
コメントありがとうございます。

探求心が旺盛なのは事実なのですが、実行が伴ってないですね。実は近いうちに方針を変更することになると思います。たぶん明日ですが。
Posted by 物好鬼 at 2006年09月17日 21:17
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

話す内容を持っているか
Excerpt: 1999年11月のとある日曜日、私は英検1級の2次試験を受けるために、試験会場と
Weblog: 30歳からの英検1級
Tracked: 2006-08-20 18:12