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2011年09月01日

テニエールによる図系を改良する

世に「結合価文法」と呼ばれるものがある。フランスの言語学者L.テニエールが考えたものである。そしてその理論には独特の「図系」がある。それは「文の構造を図示したもの」(小泉保『日英対照 すべての英文構造が分かる本』冒頭)である。

テニエールの図系では、例えば“I eat meat.”なら、「上位項」である“eat”が「下位項」である“I”と“meat”を「支配する」と考えて、

  eat
  /\
 I   meat

のように表示する。同様に日本語でも(大枠としては)

  食べる
  /\
 私は 肉を

のようになる。

これはこれで面白いものだとは思うが、それでも他の多くの図式と同様の大きな欠点があることは否定できない。それは何か?

実際に喋るときのことを考えていただきたい。英語では「I→eat→meat」の順であるのに対し、日本語では「私は→肉を→食べる」の順である。しかし、上の図では英語でも日本語でも同じかたちになっており、語順が捨象されてしまっている。上位項と下位項との「結合」という関係は緻密に表していても、実際に使われるときに必要とされる時間的な順序は示されないわけだ。これでは作文能力の養成にはあまり寄与しない。

どうして学者という学者が揃いも揃って語順を無視した図式を作るのか、私には不思議でならない。しかし、文句を言っていてもしかたがないので、以下に私なりの解決策を示しておきたい。

そのためには、まず第一に、下位項を左に、上位項を右に置くことにする。つまり、全体を右に90度回転させたような配置にするのである。すると、英語なら

 I    eat
 meat

のようになり、日本語なら

 私は   食べる
 肉を

のようになる。

これだけ見ると「同じじゃないか」と思われるであろうが、ここで一工夫すると全然違ってくる。それは縦方向の位置である。
つまり、英語なら

  I
   \
    eat
   /
 meat

のようにし、日本語なら

 私は
   \
 肉を─食べる

のようにするのである。こうすれば、テニエールの図系の内容を維持しつつ、語順も正確に表現することができる。もちろん、もっと複雑な図の場合もまったく同様である。

志のある方は参考にされたい。


posted by 物好鬼 at 00:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 英語論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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