出版元はアノ開拓社であり、どういうわけか同社の出版部長が直々に編集を担当しているようである(奥付に書かれている)。
肝心の内容であるが、大まかな目次が同書案内ページに載っているので、それを表の形でお目に掛けたい。
第1部 基本8文型とその変形 〜単語と単語の結びつき〜 |
第1章 平叙文 |
1 名詞と動詞 2 形容詞 3 副詞 4 前置詞 5 間投詞 6 品詞に関する補足 7 第1章で扱った平叙文の 全体像と例文 |
第2章 疑問文 |
1 真偽疑問文 2 選択疑問文 3 疑問詞疑問文 4 付加疑問文 |
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第3章 感嘆文 |
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第4章 命令文 |
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第5章 肯定文と否定文 |
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第2部 接続詞 〜文と文の結びつき〜 |
第1章 等位接続詞 |
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第2章 従位接続詞 |
1 名詞節を形成する 従位接続詞(A) 2 形容詞節を形成する 従位接続詞 3 副詞節[動詞修飾語]を形成する 従位接続詞(A) 4 副詞節[形容詞修飾語]を形成する 従位接続詞(B) 5 名詞節を形成する 従位接続詞(B) 6 副詞節を形成する 従位接続詞(C) 7 従位接続詞〔関係代名詞〕のas 8 従位接続詞の構文 |
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第3章 等位接続詞と従位接続詞の比較 |
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第3部 準動詞句 〜従属節の収縮〜 |
第1章 準動詞句 |
1 名詞句 2 形容詞句 3 副詞句 4 第5文型〔SVOC〕のC 5 形容詞で始まる 名詞修飾語と動詞修飾語 6 準動詞句の構文 |
第2章 準動詞句の主体 |
1 文の主語との関係 2 主体を示す語句の付加 |
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第3章 準動詞句の時制 |
1 述語動詞との関係 2 助動詞が存在する文の 準動詞句化 |
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第4章 準動詞句の始点と終点 |
目次を見れば一目瞭然なように、全体的な構成は私が新著でやろうとしていたこととソックリである。一方、内容的には私が構想していたよりもはるかに詳しい説明が含まれている。構成はよく練られているので、目次を活用することで容易に鳥瞰が得られるであろう(逆に、目次が活用できない人には真の価値が伝わらないかもしれない)。あちこちに掲げられている図表も内容理解を促進してくれるはずである。
私は以前、「文法書は最初の部分が命」と書いたことがあるが、その「最初の部分」を詳しく解説した感じのものである(それは私の新著のモチーフでもあった)。
というわけなので、「αプラス 入試突破」という枕詞にもかかわらず、英文のしくみに関して今ひとつ統一的な理解ができていない方全員にお勧めすることができる。例文が収められたCD(約67分)が付属している。
この本が出たおかげで(せいで?)私の新著は執筆不要になってしまったが、それでも既刊の2冊(『英文構造図 改訂版』と『例文学習の三段階』)を併用すると学習効率が更に高まるのではないかと密かに思っている。関心を持たれた方は是非リンク先をご覧頂きたい。
コメントありがとうございました。
これからもどうぞよろしくお願いします。
初めまして。澤井でございます。
この度は拙作を御購読頂き、誠に有難うございました。
吉プー氏、小林氏のブログのコメント欄に、「20年くらいの間、欲しいと思っていた」という旨のお言葉を頂き、感激致しました。
また、14日目の書評の「同書が取り扱っているテーマというのは、文法書の新しいカテゴリーとして定着する価値がある。」というお言葉は、最高の褒め言葉です。謹んで御礼申し上げます。
日本には、「品詞別の解説を中心とした文法書」の名著が数多くありますが、これらはあくまでもやはり辞書的なものであり、冒頭から読み進めるには、おっしゃる通り、「敷居が高すぎる」きらいがあります。せっかくの名著群ですのに、ほとんどの人が有効活用できないまま学生生活(どころか人生)を終えてしまうのです。
もし、辞書的なものとほぼ同じ内容の量を保持しつつ、読み物として読める文法書がこの世にあり、その本で一通りの文法知識を得れば、上記のような辞書的な文法書を自在に使いこなせるようになるはずです。今までは持ち腐れでだったものが、真の宝になるのです。
そのためにも、何としても「読み物としての文法書」を作りたいと思ってきました。
そして、天下無双ともいえる名伯楽の開拓社・山本出版部長に拙作の理念を理解して頂けるという、とてつもない幸運に恵まれ、この度、こうして「物語としての文法書」を上梓させて頂きました。この巻は「起承転結の物語」の「起」に当たります。
「関係詞の非制限用法がない」「関係副詞のthatをここまで重視する意味は何だろう」等、ご指摘を頂いていますが、続刊で種明かしをする予定です。
なお、誤植のご指摘、あるいは「ここをこうしたほうがいい」というご指摘、誠に有難うございます。運良く増刷がかかった際に、生かさせて頂きます。
全ての読者様の中で、物好鬼様が、最も早く、高く拙作を評価して下さった方だと思います。おそらく生涯忘れることのないだろう御恩に、心より感謝致します。
本当にありがとうございました。
澤井康佑
私のような素人が書いた記事のためにわざわざコメントを賜りありがとうございます。
こういうのを邂逅というのでしょうか。インターネット様々でもあります。
せっかくですので、貴著『よくわかる』のヒットを祈るとともに、続刊に期待させていただきます。
今後ともよろしくお願いいたします。
拙作に関して、何らかの動きがありましたら、また報告をさせて頂きます。
こちここそ、今後ともどうぞよろしくお願い致します。
澤井康佑