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2010年10月18日

英単語は人名みたいなもの

単語を覚えるのには(無料PDFでも紹介しているように)いろいろな方法がある。

しかし、何よりも大切なのは、自分自身との関わりなのではないだろうか。

例えばこんなリストがあったとする。

descriptive grammar  記述文法
prescriptive grammar  規範文法
transformational grammar  変形文法
surface structure  表層構造
deep structure  深層構造

何度も繰り返して覚えるのはよいとして、問題は各語の意味である。はたしてピンと来るだろうか?

ここでは言語学関連の例を挙げたので、馴染みがあるよという人も多いかもしれない。しかし、もし訳語を見てもその内容がピンと来ないのであれば、それらに対応する英単語を覚えるのは苦行でしかないはずである。

ここで、「人の名前を覚える」ことについて考えてみよう。この場合、英単語に相当するのは名前である。では、意味に相当するのは何か? それは、その人の顔である。あるいはもっと広く、「人物像」とでも言った方が適切かもしれない。

しかし、一口に「人の名前を覚える」とは言っても、実はそれは「名前を覚える」「人物像を覚える」「両者を結びつける」という3つの部分からなっている。そして、その三者の関係は単純ではない。

例えば、人物像に強い関心を持ったときには、名前を知りたいと思うものだ。とてつもない美人とか、類い希な能力を持った人とかに出会った場合を考えてもらえばよい。そして、名前を教えてもらえば、容易に覚えてしまうものである。それが興味というものの威力である。

逆に、顔も覚えてない人の名前は覚えにくい。それに、仮に名前だけ覚えても、顔と対応させていないのでは、あまり役に立たないであろう。

単語の場合も同じである。

何よりも、意味がピンと来るようになることが大切である。上の例で言えば、文法学の基本的なことについて解説した文章を読んで理解するとよい。もちろん日本語でよいし、むしろ日本語で読むべきである。

そうしてそれらの意味内容(訳語ではない)に馴染んでから、対応する単語を覚えるようにする。日本語で読んだ解説文に対応する英文があるのであれば、それを味わいながら音読することを繰り返すとよい。もし単語自体が覚えにくい場合は、そういった語だけ集中的に反復すればよい。ここまでくれば、あとは「両者を結びつける」ことだけとなる。

それにはいくつかの方法がある。

まずは直感的な方法。これは、訳語を見て意味を思い浮かべ、そのイメージに英語の音声や文字を重ねる。そしてそれを繰り返す。この場合、「意味」を先に思い浮かべる必要があるので、和→英の方向で学ぶことになる。

次に、語源やゴロ合わせなどによって結びつける方法も有効である。いずれも有名な方法なので、説明は不要であろう。

他にもあるが、詳細は拙著を参照されたい。

※大した実績があるわけでもないのだが、何らかのお役に立てるのではないかと思って書いてみた次第。
posted by 物好鬼 at 22:04| Comment(0) | TrackBack(0) | ボキャビルの方法論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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