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2010年10月15日

5文型から先に進む方法

 文型といえば5文型が頭に思い浮かぶであろう。しかし、各要素に各種の句や節を代入するとヨリ具体的な文型ができあがる。そういったもののリストが世の中にはいくつか存在している。佐々木『英文構成法』の「第二部 文の組立て方」は非常に有名だが、研究社のいくつかの辞書の巻末にも動詞型についての解説が載っている。

 これらを比較検討して万全なリストを作れば私の目的にかなうのかというと、実はそうでもない。

 というのは、上にも書いたように、この種のリストというのは「各要素に各種の句や節を代入」してできるものだけしか含んでいないからである。

 何が抜けているのかというと、要素以外の部分、つまり修飾語・句・節である。つまり、前置詞句(形容詞句・副詞句)、副詞節、関係詞節(形容詞節)が抜けているのである。

 では、代入による展開をスッキリまとめるにはどうするのがいいのだろうか?

 最初に5文型を説明する。例文としては、先に修飾抜きの最も単純なものを用い、つづいて簡単な語による修飾を含むものを用いるようにする。

 次に解説するのは、代入する各種のパーツ(句や節)である。

 ここで解説の順序が問題になる。具体的には、不定詞や分詞の各用法をまとめて扱うか、それとも別々に扱うか、である。特に形容詞的用法については、その組み立て方についても常に先行詞とセットで考える必要があるが、それは他の用法よりも関係詞節との共通性が大きい。その意味では、句の種類でまとめるよりも、用法でくくったほうがよいと考えられる(長崎『奇跡の英文法』はその意味で極めて先駆的である)。

 では、パーツの次はどうするか。まず2つの考え方をとりあげる。

 一つは「各種のパーツ(句や節)」のそれぞれについて、「それが文のどの位置で使われるか」を説明する方法である。もう一つは「位置」のそれぞれについて、「その位置ではどのパーツが使えるか」を説明する方法である。

 この両者のうちどちらかを選ぶか、となると、おそらく前者であろう。というのは、後者の場合、「位置」については要素だけでなく修飾語句も含めて考える必要があるが、それではバランスよく分類するのが難しそうだからだ。

 しかし、実は第三の方法がある。それは平野『実用生成英文法』で採用されているもので、「代入」を「うめ込み」(要素の場合)と「付加」(修飾の場合)に分けて異なった扱いをするのである。おそらくこの方法を採用することになるだろう。

 手元にある教材を見直してみると、それぞれに良い点が含まれているのを再発見したりする。そういったものは最大限に利用させてもらうことにはなるが、それでも決して猿まねにならないよう、少しでもオリジナリティを出すべく頑張りたいところである。


……などとツラツラ考えてみた。

※蛇足だが、本ブログの特徴の一つである一覧用ページも再構成した。以前よりも分かりやすくなったと思うので、活用されたい。
posted by 物好鬼 at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 『図でわかる英文の構造』 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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