具体例を挙げよう。
例えば『基礎と完成 新英文法』(安藤貞雄、数研出版)の場合、
第1章 文の構造となっている(51ページ)。
A 文の要素
B 5文型
第2章 品詞と句・節
A 品詞
B 句
C 節
第3章 文の種類
A 伝達内容による文の種類
B 平叙文
C 疑問文
D 命令文
E 感嘆文
次に『徹底例解ロイヤル英文法』(綿貫ら、旺文社)の場合、
第1章 文である(64ページ)。
第1節 文の構成
§1 文
§2 主部と述部の構成
§3 主語
§4 述語動詞
§5 目的語
§6 補語
§7 文の要素と修飾語
第2節 文型
(§割愛)
第3節 品詞
(§割愛)
第4節 句と節
(§割愛)
第5節 文の種類
(§割愛)
『表現のための実践ロイヤル英文法』(綿貫ら、旺文社)の場合、
第1章 文となっている(30ページ)。
第1節 文の構成
1 主部の構成
2 述部の構成
第2節 文型
3 基本5文型
第3節 品詞・句と節
4 8品詞
5 句
6 節
第4節 文の種類
7 構造上の文の分類と、肯定文・否定文
8 機能上の文の分類
最後に『コンプリート高校総合英語』(山口俊治、桐原書店)の場合、
第1部 文の構成となっている(114ページ)。
第1章 文の要素
1.文の要素
2.品詞
3.句
4.節
第2章 基本5文型
5.第1文型
6.第2文型
7.第3文型
8.第4文型
9.第5文型
第3章 主語と目的語
10.主語の種類
11.目的語の種類
第4章 主格補語と目的格補語
12.主格補語−−第2文型
13.目的格補語−−第5文型
第5章 文の種類
14.平叙文
15.疑問文
16.命令文
17.感嘆文
18.構造による文の種類
見出しを見る限り、どの本でも似たような内容となっているが、説明のしかたはさまざまである。分量については山口氏の本が他を圧倒している。文の基本構造を重視する著者の面目躍如といったところであろうか。
主題に戻る。
文法書においてこれより後の章に出てくるのは、主に各品詞や構文に関する説明である。そのうち品詞というのは、文を構成する部品の種類である。また、構文というのは、文の特殊な組み立て方のことである。であるから、まず何よりも上で紹介したような内容を徹底的にこなしておかないと、木を見て森を見ないことになってしまう可能性が大きい。
肝心の内容であるが、未知の語句などほとんどないはずであるから、構造の理解に集中するべきである。
そこで問題になるのは、正しく理解できているかをどう判断するか、であろう。それには拙著『英文構造図』が非常に役立つはずなので、是非活用されたい。
拙著で紹介している方式の場合、図式化のためのルールは、文の基本構造を踏まえたものになっている。そのため、図式化のルールを学ぶだけでも、文の基本構造の概要が理解できる。文法書の例文を学ぶ場合でも、図式化することさえできれば、その文の構造が理解できたものと考えて差し支えない。
拙著紹介ページにはいくつかのサンプルが掲げてある。私の英文構造図がいかに扱いやすいものであるか、具体例で確認していただければ幸いである。