いわゆる瞬間英作文は非常に優れた学習法であり、時間を割く価値のあるものである。しかし、あれは例文をその日本語訳から想起するという方法をとっている点に注意が必要だ。つまり、それだけをいくら繰り返しても、「最初に日本語で考えてしまう」という病気は克服できないのである。むしろ、やればやるほどクセになる可能性すらある。
冒頭に述べたような問題がある人の場合、「基本的な内容について、できるだけ日本語を介入させずに処理していく」ことに慣れる必要がある。
これには別途対策が必要であるが、「対策」としては例えば、
・英語で独り言を言う
・文法ドリルを行う
といったものが挙げられる。いずれも『英語上達完全マップ』には含まれていないメソッドである(ただし後者については別に『ポンポン話すための瞬間英作文 パターン・プラクティス』という本が出ている)。
まず独り言についてであるが、これは日本にいるときでも可能である。むしろ、必要に迫られていないときに平常心で取り組むべきである。
具体的には、例えばお店の前を通りながら
“Wow! They are selling really nice things. The one in the center of the shop looks best to me. Should I buy it? Hmm... I wonder how much it is. 25,000 yen!? Do I have enough money with me now? No, I don't think so. I wish I hadn't wasted 50,000 yen at the Pachinko parlor last night.”のように言ってみる。
内容は何でもよい。大切なのは、内容そのものよりも、発言までのプロセスが自発的である(日本語で書かれたものをトリガーにしない)ことである。
文法ドリルについては、いくつかの方法を別項にて紹介しているので、参考にしていただきたい。