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2015年07月20日

英文法学習に気乗りがしない大学受験生へ

Facebook 上の某公開グループで、「英会話は得意なのにそれを大学入試では評価してくれない」「どうして英会話を軽視して文法ばかり偏重する人が多いのか」「英会話は社会で役に立たないのか」と不満を述べている浪人生がいたので、私なりにコメントしてみた。
(コピペするのは私のコメントだけなので話の流れがわかりにくいかもしれないが、そこはご容赦を。)

経験者ならわかるはずですが、文法も発音も正確な方がコミュニケーションの質を高めてくれますよ。そもそも「文法をやりすぎたから話せない」なんて人がいるんでしょうか? 真実は「話す練習をしなかったから話せない」でしょ。

話せるようになるためには話す練習が必要ですが、そのとき、文法を学んだ人は学んだ文法を活かすことができますが、学んでない人にはそれができません。だから私は文法を重視します。発音も同様です。

だとしたら、文法についても(発音についても)、それをやらない理由を探すより、やる理由を探した方がいいと思うんですけどねえ。受験生ならなおさらですよ。

冒頭の質問に「皮肉にも英語の中で1番得意とする英会話だけ受験の役に立たず、とても悔しいのです」とありますが、そんなのは普通のことですよ。私は数学では特に記号論理学や集合論に興味がありましたが、それらが入試で問われることはありませんでした。趣味の武道なんて科目自体がありません(笑)。

やや極端な物言いに聞こえたかもしれません。しかし、入試であれ何であれ、試験対策は試験に合わせてやるしかないのですから、文句を言っても始まりません。社会に出てからの仕事もそうです。相手に合わせるんです。それでも今後は入試英語も4技能化が進みますから、状況は大きく変わるだろうとは思いますが。

他のスレによると質問者さんは時事問題について話すのにあまり困らないとのこと。もしそれが事実であるならば、私なんかよりも高い英語力を持っていることになります。そのくらいの英語力があれば、入試で問われる他の分野(読解や文法問題など)もあまり苦労はしないはずです。となれば、必要な部分だけ対策すればよいだけの話ではないでしょうか。

数学なんかもそうですが、人間は自分が苦手なものの価値を低く見る傾向があります(酸っぱいブドウ)。もちろんその逆の「甘いレモン」というのもあります。ここで私にハッキリと言えるのは、「○○が役に立つ」と実感できるのは、それをやった人だけだということです。

私も浪人経験者ですが、入試を甘くみたらダメです。

来年また大学を受験するんでしょ? ならば出題内容に不満を言うのは時間のムダです。そんな時間があったら1問でも正解できるように努力することをオススメしますよ。○○さんの実力があれば、それほど時間はかからないはず。そして、自分が成し遂げれば、後輩に対して適切なアドバイスをすることも可能になります。

これは社会に出てからもそうですが、人間は「やらなくてはいけないこと」と「やりたいこと」と「実際にやれること」の間に大なり小なりギャップがあるものです。これはどうしても避けられません。

そんなとき、そのギャップを広げることばかりしていたら目標から遠ざかってしまいます。それを避けるためには、「やらなくてはいけないこと」に少しでも価値を見出すように心掛けることです。そうすれば、目標到達(受験なら合格)は近付きます。

基本的に私は受験生の味方ですから、○○さんの受験も応援しています。しかし、あくまでも「基本的に」です。受験対策と真摯に向き合わない人は応援しません。

※浪人時代の私が「受験対策と真摯に向き合」っていたかと言われると必ずしもそうではなく、受験勉強以外のことに割いている時間の方がはるかに長かったのだが、上はあくまでも一般的な受験生に対するアドバイスとして書いている。
 とは言うものの、かつての私のような(=塾・予備校には行かず、自宅で哲学だの武道論だのの学習に多大なエネルギーを投下している一方で、肝心の受験科目は基礎・基本を中心にして過去問演習はほとんどせず、受験するのは第一志望の東大だけ、という)受験生がもっと増えれば面白いだろうなあ、という気持ちは今も持っている。

posted by 物好鬼 at 10:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 学習一般について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする